私が高校生の頃。
進学校で落ちこぼれてた私は同じように落ちこぼれてたK、S、Tと怖い話で放課後の時間をつぶしていた。
するとKが「こっくりさんをやろう」と言い出したのだ。
こっくりさんなはやり慣れていて特に面白いものでもなかった。
さくらちゃんの好きな人は誰ですか?とか聞いてたあほな思い出がある。
私が「つまんねぇ」と却下するとKは「唾とお神酒いれよう」といってきたのだった。
胡散臭いと思っていたが・・・。
次の日の放課後、酒屋の息子だったTがお神酒をSが墨汁を私は10円玉を用意しました。
唾はいい出しっぺのKの物を入れ、紙に鳥居とひらがな「はい」「いいえ」を書いて始めた。
私はいつもこっくりさんは誰かが動かしているものだと思ってた。
私も実際動かしてた。
その日、最初の質問は私が期末テストの出る範囲を聞いたのだが、帰ってきた答えは「い・た・い」だった。
私は誰かが怖がらそうとしているのかと思った。
そしてS、T、Kに順番を渡した。
SもTも質問してみたのだが帰ってきたのは「い・た・い」のみだった。
Kは自分の番になっても質問せずに何か呟いている・・・。
「Kの番だぞ!」といっても、そのままぶつぶつと何かいってるだけ。
口元に耳を寄せてみると「い・た・い」。
私がえ?というとKが暴れ出して「いたい!!いたい!!」と叫び始めました。
こっくりさんなんかやってる場合ではなく、Kを抑えるのに必死でした。
Kは3人がかりで抑えても抑えられないほど暴れていましたが、次第に力が弱くなって、やがて大人しくなりました。
その後私たちは大急ぎで近所の神社に寄り10円玉を賽銭に入れ帰った。
その後、私たちはこのことを思い出すのを避けるように疎遠になり、大学進学と共に疎遠になってしまった。
ただTだけは同じ大学に進んだ。
ある日Tと遊びあの日のことを聞いてみた。
するとTは「K?だれだそいつ?あの日はお前があばれた記憶しかねぇ」とのことだった。
私は不可解ながら私の勘違いなのかと、それで済ました。
家に帰ると母が迎えてくれ、Tは母に2、3挨拶をして帰って行った。
家に入ると母がいて私が「あれ?Tと話してたんじゃないの?」と聞くと、母は私から目をそらし「Tさんなら去年お亡くなりになったじゃないの」と言った。
私の財布には昭和54年ものの片側だけが妙に明るい10円玉が入っている。
私は統合失調病ですか?