白いものを垂らしながら

カテゴリー「不思議体験」

「窓」

当時、俺には同じ大学に通っていた京介という友人がいました。
京介には彼女がいません。
どちらかというと勉強をあまりせず、かといって遊びもせず、単に無駄な毎日を過ごしている人物でした。

京介は大学より少し離れた、築何十年もの安いアパートの1階に住んでいて、俺はよくそこへ泊まり込んで酒を一緒に飲んだりしたものでした。

しかし、そこはとんでもなく薄気味悪いアパート。
シミだらけの壁はともかく、何よりも墓地に面してる窓が気持ち悪かったのです。

ある晩その部屋で、酒が入った勢いなのか、話の流れで俺は京介に冗談まじりに「もしお前が1週間オ○ニーせんと過ごせたら今度の家賃払ったる」と言ってしまったのです。

京介はすぐに話に乗りました。

京介:「ええで!(1週間よりも)2週間キッチリ我慢したるわ。そん代わり先月払ってない家賃もたのむで!」

俺:「お前、本気で言うてんの?」

京介:「マジやで、万が一、出てもうたら、お前に2ヶ月分の家賃代払ったるわ」

京介は、タナボタというような感じでニヤリと笑いました。

俺:「ほんなら、今日から2週間お前と一緒に住んで監視すんで!ええんか?」

京介:「べつにええよ。しょんべんも一緒について来たらええやん。」

絶対、コイツにだけはオ○ニーさせん!
俺はそう決めました。

意地の張り合いの続く中、京介のアパートに泊まり込んで1週間が過ぎた真夜中、やはり酒が入ってるのですが、京介の様子が突然変わりました。
何だか、辺りを見渡してソワソワし出したのです。

俺:「どないしてん、もう限界なんとちゃうん?」

また京介は黙ったままキョロキョロと辺りを見渡し始めました。

いつもの京介と違う・・・どうかしてる。
まるで何かが部屋の中に居るかの様に・・・探して・・・探してる?

俺:「何してんの、気持ち悪いなぁ、演技やろ、それ」

そう言ってる最中、京介はある一点を見て固まっていました。
窓の方、カーテンの隙間・・・。

俺:「え、誰か、おんのか?」

尋ねても京介は返事をしませんでした。
目は見開いたまま・・・。
そして、いきなり走り出し、カーテンを開きました。

バッ!

俺:「何か、おったんか?」

あまりの京介の奇怪な行動に不気味なものを感じました。

京介:「な、なんもあらへん・・・」

そう言って、京介はそのまま布団にもぐり込んで、寝てしまいました。

俺は直感的に、”京介は何か隠してる。この部屋に何か居てるんじゃないかな?”と疑いました。
もしかすると、俺も京介と同じ様に「それ」を見ることになるかも知れないと、覚悟を決めました。

明日の朝で2週間目という日が、ついにやって来ました。
京介はここ数日、何かをブツブツつぶやくようになっていましたが、賭けは賭け!
ここで、情けをかけると今度は俺がカモられる。
これも、奴の罠かも知れないのです。

毎晩、京介が窓の方を見ているのが、やけに気にはなっていたのですが、俺には何も見えない。
絶対に芝居だ!と確信していました。

京介はオ○ニーをしてないので、あまりに溜め過ぎて敏感になってるらしく、すぐに立ってしまう息子をかかえて四苦八苦していました。

その晩、京介の部屋で「禁オ○ニーマラソン完走祝勝会」を開いていると、いつもの様に京介はキョロキョロし始めました。

俺:「もうええっちゅうねん!お前の勝ちや!朝になったらやけどな!じっとしとけ!」

俺は、我慢の限界が来て京介に怒鳴りました。

しかし、今度は京介が叫びました。

京介:「お前、まだ気付かへんのか?窓の外に何があるんか!お前には、わからへんのか!」

京介は目を見開き、口をバカっとあけたまま窓を見ました。

俺はすぐに立ちあがり窓を隠してるカーテンを開けようとして、手をかけました。

京介:「やめろおおー!」

突然、京介が後ろで絶叫!
俺はお構いなしにカーテンを開きました。

そこには何と、窓一面びっしりと張り付いた、女の尻、尻、尻!

俺:「うわああああっ!」

俺はべたっとへたり込みました。
おびただしい数の女の尻!

呆然と窓を見上げてる俺の後ろで京介が吼えた!

京介:「うおおおおおおおーーー!」

京介はズボンを脱いで、そそり立ったティンポを握り締めながら窓に向かって走り出しました。

俺:「や、やめろおー!」

ガシャーン!
俺が叫ぶのと同時に京介は窓ガラスを突き破り、下半身、血まみれになって窓の外に転落。

俺:「京介ぇぇ!」

俺が慌てて助けに行くと京介は気を失っていました。
ティンポから白いものを垂らしながら・・・。

翌朝、冷静になれた俺は、やっと目が覚めた京介に聞いてみました。

俺:「昨日の晩、何が起きたんか覚えてるか?」

京介:「ぜ、全然、覚えてへん・・・。なんか、あったんか?」

・・・俺には京介の記憶が無くなっていた・・・というよりも、どうやっても「シラをきっている顔」にしか見えませんでした。

そんなに、家賃払いたくないんか、京介・・・。
お前、賭けに負けたんや・・・。

おわり。

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