面白い話を聞いたので投稿させて頂きます。
話を聞かせてくれたのは、俺の曽祖父の友人で元戦友のSさんです。
このSさん、既に90を超えるご高齢ですが、下手な若者より元気で好奇心旺盛、更には行動力もあり、興味深い話も沢山聞かせてくれるんです。
でも「俺ちゃん、ワシのひ孫は絵が凄く上手いぞ!俺ちゃんも、ひ孫に絵を習ってみんか?!」と言いつつ、18禁な薄い本を見せられた時は、凄く反応に困りましたが・・・。
まあ、そんな愉快なSさんが終戦になって帰国し、本業である林業に復帰したばかりの頃。
具体的には昭和22、3年ぐらいの事です。
その日Sさんはちょっとした用事があり、一人で山に入って作業していたのですが、少々トラブルがあって日没後の帰宅になったそうです。
暗い山道をスタコラ歩いていたSさんですが、ふと背後に気配を感じて振り向きました。
すると、自分から10メートル程離れた場所に、骨格標本みたいに骸骨が突っ立てたそうです。
暗い山道で骸骨に遭遇したら、普通は驚いて動けなくなるか逃げるか、だと思います。
でも流石というかなんと言うか、戦争行ってた世代は違う。
Sさんは骸骨に走り寄ると、そのまま蹴りをかましたそうです。
Sさん曰く「田んぼに足を突っ込んだような」感触だったそうですが、蹴った足はそのまま、骸骨の向こう側に突き抜けてしまいました。
『蹴りは駄目か!じゃあ殴るか』と思って拳を振り上げるSさん。
すると骸骨は両手を前に突き出して「ちょっと待ってくれ」みたいなポーズを取った後、そのまま消えてしまったそうです。
消えたものは仕方ない、という事で、Sさんはそのまま帰宅しました。
話を聞いた後、俺が「それって、何だったんでしょうね?」と聞くと、Sさんは「まあ・・・骸骨だな」と、そのままの答えが返って来ました。
取り敢えず、昔の人って強いんだなあ、と思った次第です。