最近知人が旧家の出で、オカルトな話題が豊富だったことが判った。
これはその中の一つ。
伝聞口調は省く。
彼女の屋敷の敷地内には祠があり、代々水神様を祭っている。
彼女の祖父がまだ若い時、トラクターなんて無いから牛で田んぼを耕していた。
家から畑に行くまでは、川から結構な高さのある木の橋が架かっていた。
別に老朽化はしてなかったそうなのだが、真ん中で橋がくずれ落ち川に落ちてしまった。
見てた人が助けを呼んで祖父を助けたのだが、牛は絶命。
祖父は奇跡的にちょっと怪我をしただけで済んだ。
信仰心の厚い祖母は、神のお陰だと感謝したそうだ。
さて、この集落には有名な拝み屋が居て、村人の信頼を集めていた。
祖母は祖父のこの話を、拝み屋のところにしに行った。
話している途中から拝み屋の顔色が変わり、いきなり奇声を発したかと思うと、なんと階段状に結構な高さのある祭壇まで、正座したまますっ飛んでいった。
それから一心腐乱にお経を唱える。
唖然とする祖母。
お経が終わり、今度は歩いて降りてきた拝み屋は、祖母がどうしたのか聞いても頑なに教えてくれなかった・・・。
これ、何だと思う?
祖父が助かったのは、日頃から信仰している水神様のお陰かもしれないけど、それなら美談で済むのに、なぜ拝み屋は取り乱したんだろう?