これは小さい頃に体験したことで、あまりに小さかった為、記憶がおぼろげなのと真実であったかさえも曖昧な話なので悪しからず。
何故か俺は植物園に居た(笑)
というのも記憶は既に植物園に来ているところからしかない。
・・・が、親たちが植物園の人と親しく話してる風景は覚えているので、「今考えると」という憶測ではあるが、たぶん知り合いが植物園を経営しててプチハイキングも兼ねて会いに行ったのだろうと思う。
でも俺は凄まじくつまらなかった。
大人たちは延々と立ち話に花を咲かしており(植物園なだけに)、人見知りの激しい俺は親の知り合いだろうがなんだろうが話に加わる気もなかった。
「暇だな~」と思い辺りを見渡すが植物園なだけに植物しかない。
今こそ花を綺麗と思う心を持ち合わせて居るが、その頃の俺の頭の中は1にウルトラマン、2にウルトラマン、3、4がなくて5にウルトラマンだった為、いくら花を眺めたところで暇が潰せるはずがなかった。
1人ウルトラマンごっこでもしようかなと思っていると、ある植物に目が釘付けになった。
それは幅60センチ程度の鉢に立派な青々とした植物が植えられているものなんだけど(花は咲いてなかった)、何故か物凄い違和感がある。
ん?と首を傾げているとその植物が風もないのに動いた。
ちなみにこの植物園はドーム場になっており室内である。
びっくりする俺を尻目にその植物は尚も動き、なんと鉢の上から地面に飛び出したのである。
瞬間的に俺はマダツボミだ!と思った(笑)
しかし、対する俺はモンスターボールはおろかオーキドから最初のポケモンすら貰っていない丸腰状態である。
その場に尻餅をついて凝視しているとその植物がマダツボミではなく、とんでもなくデカいカマキリであることが分かった。
黒い目が2つ付いており、2本の触角。
極めつけに手には葉っぱに似た鎌がちゃんとついていた。
なんだカマキリかと安堵したかったが、その大きさは常識的な大きさを遥かに超越しており、尻餅をついて座っている俺の頭の高さよりソイツの頭は高い位置にあった(俺はカマキリを見上げていた)。
虫は苦手ではなくむしろ好きだったが自分よりデカい虫は話が別である。
カマキリはゆっくりとこちらを向くと威嚇のポーズを取った。
そのとたんに俺は我慢出来なくなり一目散に親の所までダッシュし泣きついてカマキリが襲ってくることを説明したが、その時にはもうカマキリは居なくなっており、違和感を感じた鉢も無くなっていた。
余談ではあるが、母親も昔、学校に向かうために家を出て後ろから風がいきなり吹いたので何事かと思って振り向いたら自分の家の屋根にモスラが止まっていたらしい・・・。
「モスラってそんな大袈裟な!」と言ってやったが、「いや、それがあながち大袈裟でもないんだって・・・だって家が潰れちゃう!と心配になるくらいの大きさしてたもん」と言われた。