小3の頃、休み時間にトイレへ行ってから教室に戻ってみると、教室の一番後ろの窓のカーテンが膨らんでいた。
誰かがふざけてカーテンに包まれているんだな?と思ったが、俺はそいつをスルーした。
アホなことをして誰かのツッコミを待つ遊びなのはわかっていたが、わざと気付かないフリをして、本人がションボリしながら出てくるのを見る方が面白いので、こう言う場合はスルーするのが男子の間ではお約束となっていたからだ。
俺が席に戻ってしばらくすると予鈴が鳴り、職員室へ行っていた先生が教室へ戻ってきた。
それを見て他のクラスメートたちも、ばらばらと自分の席に着く。
日直の「起立」「礼」「着席」に従って椅子に座ろうとした時、気になって窓の方を見ると、まだカーテンが膨らんでいた。
おそらく先生が来てしまって、出るに出られなくなったのだろう・・・。
そんなアホの子は誰かと思い教室を見渡してみるが、なぜか空いてる席はひとつもない。
しかし、窓の方を見るとカーテンがもぞりと動くのが見えたから、誰かが入っているのは間違いない。
カーテンを凝視していると先生に窓の外ばかり見るなと怒られたので、顔を黒板に戻す。
しかし、カーテンが気になって仕方がない。
と言うか、なんで先生は気付かないのだろう?
授業が終わり、休み時間になってからカーテンをひっぺがすと、見なれた顔が出てきた。
今なら余裕で発達障害とか言われそうな問題児のAだった。
聞けば俺の推理通り、先生が来て出てくるタイミングを逃し、仕方なく窓枠にへばりついて授業をやりすごしたとのことだ。
これで膨らんだカーテンの正体はわかった。
しかし、授業中にAの席に座っていたのは、誰だったのか。