ある生物を見た話なのですが、現実にいるものとは思えないのでここに書かせていただきます。
ある日、ベッドに寝ころがって本を読んでいるうちに、眠りこんでしまった。
ふと、目が覚めて、明かりを消そうと天井の蛍光灯に目をやると、蛍光灯のカサのまわりをなにかが動きまわっている。
飛蚊症のため、ときどき視界に影が入るので、「ああ、またか」と思ったが違うようだ。
「足が8本ある虫?」
蜘蛛のようだ。
・・・かなり大きい。
胴体だけでも自分の手のひらくらいある。体表にまばらに生える毛すらわかる。
見えないが、糸が張ってあるのか空中も這いまわっている。
びっくりして、すっかり目が覚めた。
こっちに降りてこられたらたまらないので目をはなさずに見ていたら、気付いたことがあった。
蜘蛛を透かして天井の木目が見えるのだ。
しばらく見ていたが、半透明の大蜘蛛はあいかわらず蛍光灯のまわりをしゃかしゃか動き続けている。
意を決して、追っ払おうと手近にあった雑誌を手に立ち上がると、もう、いなかった・・・。
丸めた雑誌で天井を探ったが糸も張ってない。
あれが現実に存在する蜘蛛とは思えないし、もう引っ越したほうがいいのだろうか?