去年のお盆の出来事。
お盆初日、墓参りを済ませ提灯の火を神棚の蝋燭に移した時、後ろの方で飼い猫の鳴き声と、ガシャーンという何かにぶつかったような音がした。
その猫はまだ一才にもなっていないやんちゃ盛りで、よく何かに驚いてはいろんなとこにぶつかるせわしないやつだった。
なので特別驚きもせず、音的に網戸か何かにぶつかったのかな、と思って音のした方に向かってみたが、すでに猫の姿はなかった。
まぁどこかに隠れてるだけですぐ出てくるだろうと思い、特に探さなかった。
しかし、いつまでたっても姿を現さなかった。
外に出ちゃったかな?とも思ったが、網戸含め全て鍵をかけていたため、家中どこを探しても外に出られるようなところはなかった。
一応外も一通り見回ってみたが、鳴き声も、鈴の音すらしない。
結局その日は諦めて、玄関を開けっ放しにしておくことにした。
少し無用心かもしれないが、猫というものは出入口さえつくれば自分で帰ってくる。
事実、今まで脱走された時もそうすることで事なきを得ていた。しかし、結局猫はお盆の最中ずっと行方不明のままだった。
お盆最終日、送り火を済ませ家に戻り玄関の鍵を開けると、家の中から聞き覚えのある鳴き声が。
行方不明だったはずの猫は、普段と変わらない姿で出迎えてくれた。
いつの間にやら外から戻ってきた?いや、玄関は閉めて行ったのでそれはない。
しかも数日間行方不明だったとは思えないほど元気で、体も全く汚れていなかった。
やっぱり外に行っていたんじゃなかったのか?だとしたら今までどこに?
と、ここまで考えてふと思い出した。
そういや、うちの爺さん猫とか駄目、というかアレルギーだったんだっけ?