記憶違いのドライブ

カテゴリー「不思議体験」

オレが体験した話。

友人Aがよく自分の部屋に遊びに来ていたのですが、その友人にしょっちゅう夜のドライブに誘われていました。
いつもそいつとのドライブは楽しかったです。

ある日、友人Aに「今日は○○の方面に行こう!」と誘われ、二人っきりで夜のドライブに行くことに。
友人Aの車に乗り込みいざ出発。
その日の行先は、山というか峠を越えた集落方面。
集落って言ってもまぁ、人が散開して住んでる感じ?の場所。
その集落方面に行くのは初めてでした。
そこは田舎なんで、ただ通り過ぎるだけ。

その集落を通り過ぎ、漁民の住む集落につながる県道の入り口に着きました。
その県道はアスファルト舗装されていなく、なんか土?の道路みたいな感じ。
幅も車一台通れるぐらいで、街灯なんかない道。
峠道なので、坂を上ることになりました。

その県道を上り始めた時から、急に霧がかってきました。
その状況下、友人Aは運転に集中し始め、さっきまでにぎやか?だった車内は、浜崎あゆみの音楽のみ流れていました。

途中、となりのトトロの中に出てきたようなバス停がありました。

オレ:「おい!こんな山道なのにバス停があるよ!!家なんてないのに(笑)」
A:「・・・」

Aは運転に集中しているためか黙っていました。

そのバス停を過ぎた後、廃屋と化した洋館がその道路沿いに何件か建っていました。

オレ的には、「昔、あの洋館に人が住んでて、バス停が必要だったんだー」なーんて一人で納得してたんですが。

そんな感じで峠に差し掛かった時、新しくアスファルトに舗装された道に出ました。
オレはアスファルトを見て一安心。
また、さっきまで霧がかかっていたのに、急に霧が晴れました。

そのアスファルトの道はT字路みたいな感じになっており、道路の案内板が立っていました。

『右は「○○」(帰り道方面)左は「○○町斎場」』

やっと知ってる名前(○○の名前)が出たw右折して帰ろうぜって思っていたら、Aはなぜか左折しました。
なんで斎場方面行くんだろ?って不思議に思い、Aにきいてみました。

すると・・・。

A:「斎場ってなにするところなの?」
オレ:「・・・斎場って、人の死体を燃やすとこだよ!!!」

A:「えっ!!!!」

AはすぐUターンして○○方面へ。
その後、国道に出て、自分たちが住んでいる下宿先方面へ帰っていきました。

1年半後・・・。
大学3年生になったオレは車の免許も持ち、車も買って、勉強、部活、バイトと、なかなかリア充な生活をしていました。(彼女はそのときいなかったんだけどねーw)

ある日、友人Bから「この日は暇か?暇だったらドライブ行こう」と誘われ、「その週の土曜日はバイト5時からだから、それまでだったら暇」みたいな事を言って、土曜日にドライブに行くことに。

土曜日になって、適当に友人Bと昼間にドライブをしていたら、1年半前にいったあの県道前に着きました。

オレは『懐かしい(笑)』と思っていました。

オレ:「Bはこの道を通ったことあるの?」
B:「あるよ?、2年前に来たことあるな!」

オレ:「この道って、アスファルト舗装されてないよね(笑)バス停もなぜかあるし!」
B:「・・・・・・?まぁいいや、行ってみよう」

相変わらずというか、幅は狭かったんですが、なぜかアスファルト舗装されていました。
1年半の間に舗装された感じではなく、2,3年前ぐらいに舗装されている感じでした。

オレは『おかしいぞ????』という感じで運転していたんですが、あの時のバス停とか洋館はあるだろって思っていました。
しかし、それもない。

あっという間に、『右は「○○」(帰り道方面)左は「○○町斎場」』の案内板があるところに着きました。

B:「お前の話を聞いておかしいと思ったんだよ(笑)」
オレ:「え?なにが?」

B「オレは二年前に、ほかの友人とツーリングをしに来たことあったけど、土の道路でもなかったし、なんかおかしいって思ったんだよ(笑)」

オレ:「じゃあ今度、Aを連れて検証しようよ!来週のどっかに授業終わった後でさ!!」
B:「お!いいね~」

その夜、Aに電話して、事情を説明して、後日、オレ、A、Bの三人で検証しに行くことに。

3日後、学校の授業終了後にオレの車であの道に向かう。
到着し、坂を上り検証開始。

オレ:「バス停や洋館ないよなー?」
B:「だから、ないって言ってんじゃん(笑)」
A:「いや、あの時バス停とか洋館なかったよ!!」

オレ&B:「えっ!?」

B:「やっぱないよねー?(笑)」
オレ:「そんなはずじゃー・・・」

B:「お前の記憶間違えだって」
A:「そうだよ!俺、見なかったもん」

オレ:「うーん、確かに昔の記憶だったし、記憶間違えしてんのかなー?」
A:「そうだよ!」
B:「じゃー解決したし、飯食いに行くか(笑)」

オレ&A:「そうだな(笑)」
なんか釈然としなかったけど、まぁ、検証の結果、オレの記憶間違えということに。

けど、なんか納得いかなかったので、検証した後日、その道に通ったことのある先輩や他の同級生にも聞いてみたけど、(2人ぐらい)バス停や洋館なかったよ、という答えが返ってきた。
あー、こりゃオレの完全な記憶間違えだったなーって完全に納得した。

翌週の週末。
Aとオレはバイト先が一緒で、週に一回程一時間ぐらい重なるときがありました。
バイト先ではAはあまりオレに話しかけてくれないので、普段はオレから話しかけていました。
その日は珍しくAから話しかけてくれました。

A:「この前、一緒にあの道検証に行ったじゃんね?」
オレ:「だけど、あれってオレの記憶間違えだったじゃん(笑)」

A:「実はさ、最初お前とあの道に行ったとき、オレ記憶ないんだよ(笑)」
オレ:「それってどういうこと??」

A:「あの道に入ったとき、霧がかかってきたのは覚えてる。けど次に記憶があるのは、お前の『斎場になんで行くの?』だったんだよ」
オレ:「・・・・・・」

A:「俺は斎場がどんなところかもちろん知ってたし、あんな夜の道で、斎場方面になんでハンドルを切ってしまったのかも、覚えてないんだよね」
オレ:「・・・・・・」

A:「検証行った時にBの意見に合わせたのは、記憶が無かったから、お前の意見に合わせたいと思わなかった」
オレ:「ってことは・・・」

あの時、オレはいったい何を見ていたのか?

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