30年近く前に、庭師のバイトをしたときに親方さんから聞いた話。
九州の南の方のK町の出身の人だったんだけど、その人の通学路に使ってた道は獣道みたいな感じで、いつも山の中を通って学校に行ってたらしいんだ。(実際にその道を通って実家にお邪魔したけど、本当にコンクリ鋪装とかもなくまさに山だった)
んで、ある日、小学生だった親方が一人で帰ってたら、大人位の大きさのでっぷり太ったネズミが二本足で立ってて、その周りを普通~子猫サイズのネズミみたいなのがクルクル廻って遊んでた?らしいのよ・・・。
んで親方も、まだ小学生だしネズミの妖怪だ!ってなってそっときた道を戻って武器になりそうな小石やら棒やらを拾ってまたネズミ妖怪のいた当たりに戻ったら、もう居なくなってたんだと。
それからいつ会うか分からんからいつも武器になりそうな石を持って道を通るようにしてたらしいんだけど、一人でその道を通る時に限っているもんで、怖かったらしい。
戦うとか一人じゃ無理だから、石を投げてネズミ妖怪がその石に気を取られてるうちに走って通りすぎてた・・・っていつも冗談も言わない厳しい親方が大真面目に言うもんで、すごく反応に困った。
まあ、その時は山には色々いるから気を付けろよって感じで話が終わったんだけど、何年かしてからみんなで飯食ってる時に点いてたテレビ見てた親方がいきなり取り乱しはじめて、「ネズミ妖怪や!こいつらよ!オイが言ってたネズミ妖怪っち!」って指さしてたのが、ロードショーか何かのCMで流れてた「トトロ」だった。
確かにトトロ出そうな雰囲気のでっかい杉の木ばっかの薄暗い山だったし、その時CMには出てなかったけどトトロって小さいトトロもいるのよね。
トトロ知らない人時代の人達から見たらネズミに見えるのかも。
まだ、K県のあのあたりは今でも山が深いからまだトトロ?もいるかもしれんね。