人づてで聞いた話です。
友達同士で河川敷にある地下水路の入り口から入って探検ごっこをしてた時の事。
地下水路の入り口は結構広くて大人でも3人くらい並んで入れる程の広さだったのが、奥に行くにつれて狭くなって、子ども一人が通れるくらいの広さになっていたそうです。
先頭のA君が懐中電灯を持って他の子はそれに続く感じになりました。
4人が縦に続いて進んでいた時、一番前の子が「何かいる」とか言い出して止まりました。
「何だよ、何だよ」と半分ビクビク半分ワクワクして聞いていると、遠くの方からタッタッタッという何か駆け足のような音が聞こえてきました。
子どもながらにこんな真っ暗な穴倉で走ってくる人なんていないと思ってましたが、次第にその音が近づいてきて・・・一番前の子が何を見たのか「ギャー」と喚きだしたので、一目散で振り返って逃げようとしました。
が、一番最後尾にいた子も戻り道に光が無い為なかなか進まず、それでも後ろか背中を押して急がせます。
その間にもタッタッタッタッという音は大きくなって近づいてくるし、先頭にいた子が「来るー来るー、ギャー」と、半狂乱でわめくしで死にもの狂いだったそうです。
ようやく出口の光が見えた頃には、全力疾走で掛け出ましたが、追いかけてくると思って河川敷にでた後も振り返らずに人通りがある道まで走り続けました。
そこまで来て、先頭にいた子がいない事に気付きました。
遅れてくるか、または別の方向に逃げたのか・・・色々話しましたが、もしかしてさっきの奴に捕まったんじゃ・・・という結論になり、それでも怖いので探しに行く事が出来ずに、みんなそのまま帰りました。
その晩にA君の母親からまだ帰って来てないとの連絡があり、その事を話すと警察に連絡して探してもらったそうです。
翌朝にはA君は見つかったようですが、自分達が探検したよりもっと奥で、衣服を脱がされ気絶していたとのことでした。
本人は真っ暗でなにもわからなかったそうですが、凄い力で奥に連れていかれたのは憶えてたそうです。