雛人形に人生を救われた

カテゴリー「不思議体験」

今年の2月末頃、仕事中に車上荒らしにあって営業カバンを盗られた。

鞄の中に金目の物は無かったんだけど、会社の重要書類と領収証が入ってたんだ。
自分の仕事はいわゆる『顧客情報』の扱いに非常に神経質なところで、書類の紛失が公になれば理由を問わず俺がクビになるどころか、代理店契約解除→会社あぼーんの可能性大・・・。

書類の件は伏せたまま車上荒らしにあった事だけを会社に報告。(会社の車なのでこっそり直せなかった)
営業に出るフリして現場近くを探してみても鞄が見つかるはずもなく、マジ自殺の考えが頭をよぎっていた。

途方に暮れたまま家に帰ると、何も知らない嫁と子供が笑顔で出迎えてくれる。
ふと、まだ雛人形を飾っていなかっのを思い出した。
もう12時近いし、普段なら明日にしようと思いそうな物だが、この日に限って妙な使命感に囚われ、天袋から一式を取り出し飾り付けをした。

飾っているうちに、何故か『お雛様が助けてくれる』と感じはじめた。
そこで、飾り終わったお雛様に必死で『書類が出てきますように』とお願いした。
今思うと稚拙な考えだけど、その時はもう必死だった。

れから毎晩お雛様の前で正座し、とにかく祈っていた。
どちらにせよ寝られなかったので、夜中の2時から3時頃に真っ暗な中、お雛様の前にいた。

『何か欲しいものがあれば言ってください、可能な限り用意します』

毎晩そんな感じの祈りが5日程続いたある日、家に帰ってくるとお雛様の前に団子が供えてある。
嫁が言うには、「娘が朝から『お雛様がおだんご食べたいんだって~』とずっと言ってるので買ってきた」との事。
その夜お雛様の前に行くと、お雛さまが微かに笑っているように見えた。

翌日の夕方、警察から連絡があり、それらしい物が見つかったとの事。
慌てて交番まで行き確認すると、正に盗られた鞄!中身も全て無事でした。
帰って、お雛様に厚く御礼申し上げました。

このお雛様、別に古いものではなく、2年前に娘の初節句にあわせ購入した物です。(高くもない)
我が家の家宝に認定します。
ちなみに、見つかったのは盗難現場近くの大型電気店駐車場だったんですが、そこは自分が何度も探した場所だったんですよ。
何故1週間も経ってからそんな場所で見つかるのか、警察も首をかしげてました。

車上荒らしの手口も、キーシリンダーを取り外して車内を物色後、シリンダーを元に戻す(といっても押し込むだけ)といったもので、通常の窓ガラスを割るといったものに比べ手が込んでいる分、発見もされないだろうと言うのが、届出時の警察の予想でしたから・・・。

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