えと、うちの母(多少霊感らしきものがあるらしい)の体験談で、一番最近のやつを。
母方の祖父母は、今年2月に金婚式を迎えました。
孫の世代が、上は社会人から下は中学生(受験生含む)であることと、祖父が「奥様、いつ死んでもおかしくないですね」と医者に言われたのがショックで、早めに祝いの席を設けてくれと希望していたこともあり、1月に親族一同集まってお祝いをしました。
「結婚記念日当日には集まれそうもないねー」なんて言いながら。
祖父母の結婚記念日の3日前、ある事件が起きました。
今年祖父母の住む北海道のある地区では、大雪が降ったため、72歳の祖父は、家の周りの雪かきを終えたあと、屋根の雪を下ろすために屋根に登ったそうです。
運の悪いことに、その前の日、祖母は体調を崩して病院に入院・・・。
当時家にいたのは祖父一人でした。
雪をおろしていた祖父は、なにかの拍子で足を滑らせて屋根から転落。
既に雪かきを終わらせていたコンクリートの地面の上にしたたかに叩きつけられたそうです。
本人は、痛みと頭部打撲でそのときのことはろくに覚えてないそうです。
昼間とは言え、厳寒の北海道。
額から流血した老人。
転落した場所は、玄関先の植え込みに隠れた死角だったため、そのまま発見されなければ死んでいてもおかしくなかった状況でした。
しかし、その日に限って幸運が重なりました。
近所に住む母の従兄弟の嫁(祖父から見ると甥の嫁)が、いつもなら家におらず、嫁ぎ先の農家を手伝いに行っている時間帯になぜか家におり、3歳の娘と「おじぃちゃん屋根にいるね」と祖父を目撃していたのです。
さらに、向かいの家に住む住人。
1丁離れたところに住む親戚(忘れ物を取りに帰ってきていたらしい)も、偶然通りかかったり、祖父を目撃していて、それぞれ「どさっ」っと大きな音を聞いたそうです。
おかげで転落してから間もなく、救急車で祖父は病院へ運ばれ、怪我自体はたいしたこともなく、その晩だけ検査入院をし翌日無事に退院してくることができました。
祖母の方も、経過良好で同日、祖父と一緒に帰宅することができました。
これが結婚記念日前日。
退院の知らせを聞いて、母(長女)叔母(次女・遠方に嫁いだ)が「こんな機会もないだろうから」と仕事を休み、実家である祖父母の家へ駆けつけました。
その晩、母と叔母は看病がてら宿泊することになります。
翌朝。
母と叔母が布団をたたみながら「無事でよかったねー」と話をしていたとき。
母は背後から「オレ頑張ったんだ」って声を聞いたそうです。
えっ?と思って振り返ると、そこには仏壇。(祖父母の家に宿泊するときは、仏間に布団並べて寝る習慣があるのです)
その仏壇に安置されているのは、曾祖父母、祖父の妹、祖父母の水子の4人。
「あぁ、父さん(祖父)の声に似てるから、じいちゃん(曾祖父)か」と、母は素直に思ったそうです。
ちなみにこの曾祖父、祖父が14歳の時に病死しているらしく、祖母はおろか母も、曾祖父生存時のことは知る由もないのですが・・・。
朝食後、そのことを祖父母・妹(叔母)に告げた母。
霊感のない叔母は怪訝そうな顔をしていたのに対し、祖母はカラカラと笑い「頑張ってもらってよかったね、じーさん」と祖父に語りかけ、ベッドで横になってる祖父も「おれ信心深いからな」と、ちょっと威張っていたそうです。
夕方には、管内にすむ長男(叔父)も仕事帰りに訪れ、祖父母と子供世代3人水入らずで、金婚式祝えたそうです。
いやー、曾祖父頑張りすぎ(笑)
怖くない話でごめんなさい。