お稲○さん話(ちょっと不思議な話)。
私が小学2年の終わり頃の話です。
担任の先生が結婚するので学校を退職する事が決まり、クラスでの思い出にと、ちょっとした散歩みたいなお別れ会をしました。
子供の足でおそらく30分近くかかったと思いますが、そこはちょっと小高い山みたくなっているお寺で、下に公園があって、そこに遊びに行った時の話です。
その小高い山の側面に防空壕が掘られていました。
私は怖くて中に入りませんでしたが、友達の女の子が入って中で何か動物みたいな骨を見つけました。
そして、みんなで移動してお寺の方に登って行くと、お寺の本堂の脇にゴミの焼却所みたいな場所があって、そこでA君が神狐(お稲荷さんの神棚に飾る狛犬みたいな狐の白い小さな置物)を拾いました。
拾った途端にA君は1人でお寺の山門へ向かい、参道を歩いて行ってしまいました。
歩くペースはとても速かったのを覚えています。
みんなで「A君~!A君~!どこ行くの?」と叫んで止めようとしましたが、A君には聞こえていないみたいで、そのままお寺の参道を出ていこうとしました。
これはちょっとおかしい・・・と思った時にお寺の鐘が「ゴーン」と鳴った時にA君は立ち止まりパッと振り返りました。
本人に「どうしたの?」と聞いても「何も覚えていない」と言っていました。
手にはしっかり神狐を握っていたので、A君に「それ元の所に返した方が良いよ」と話して元のゴミ焼却所みたいな所に返しました。
今なら、おそらくお焚き上げ用の神狐だったとわかりますが、当時は子供だったので、ただ単純に狐に化かされたんだね・・・って友達と話したのを覚えています。
今でもあのお寺の鐘の音と振り返ったA君の顔を覚えています。