近所の駐車場が不思議だった

カテゴリー「不思議体験」

学生時代夜中にコンビニに飯を買いに行く途中カラカラ、カラカラ音がしてた。

駐車場だったのでエンジン切った直後の車だろうなと思ってそのままコンビニに向かったんだ。

コンビニで立ち読みして弁当を買い来た道を帰って先ほどの駐車場に差し掛かるとまだカラカラ音がしている。

あれ?って思った。
その日は金曜日だったのと、前日コンビニに寄ってなかったから読む物が多かったんだ。(立ち読みだけでも20~30分はかかっている)

車ならとっくに音はならないはずじゃ?

そう思ってよく駐車場の方を見ると、車は数台止まってはいるけど、音の出所の方に車は無くボロい自動販売機があった。
明かりは付いてるから動いてはいるんだろうけど、取り出し口付近まで雑草が生い茂っていて、これまだ動いてんの?ってレベルの自販機。
こんなとこに自販あったかな?とか思いながら近寄って自販機まであと数メートルって所で、音はその自販機では無くさらに右側辺りで鳴ってることに気がついた。

そっちに目をやると、これまたボロっちい放置自転車があった。
前輪部分は自販機の雑草と一体化していてペダル辺りにもツタの様な雑草が絡み付いていて、溝でもあるのか微妙に前のめりになって後輪部分が浮いている。

ここで、やっと音の正体がこの自転車の後輪が回ってるからだと気づいたんだ。

特に風が吹いているわけでもないし、誰かが漕いでるわけでもない。
そもそも雑草が絡まってるから漕げる訳がない。
なのにずっと回り続けている。

おかしいはずなのにその時は回ってる不思議より音の正体を掴めた充実感が優っていたのと、温めてもらった弁当が冷める事の方が嫌だったので、さっさと帰ろうと思い駐車場を出ようとした時、微妙な違和感が。
ここ砂利だったっけ?と。

その駐車場は自宅のアパートとコンビニ行くルートの一つにある住宅路に面した横に長いどっかのアパートの離れの駐車場。
よく通る道の横にあったんで何度も目にしてるがセメントで整備されてたはずなんだけど、その時は少量の砂利と土だけの駐車場だった。
まぁ、よくある記憶違いかなって思ってそのままその日は帰宅した。

それから2ヶ月ちょっと経った後、自宅で友人達と飲んでいた時、買い出しに行った一人が戻って来てから変な事を言い始めた。

「自販機の前にマネキンの様な物が立っている」

それを聞いた直後は同じアパートに美容師系の学生でもいるのか、ゴミ置場にマネキン?の頭部が大量に置いてあった事が何度かあったのでその悪戯だろうなと思った。

でも少し話を聞いていると、ゴミ置場近くの自販機では無く悪戯するには少し遠い例の駐車場の自販機の事だった。

そいつが言うにはコンビニに向かう途中、駐車場の自販機と向かい合う形で人形の物が立っていて、コンビニから戻る時も変わらず立っていたから遠目に覗いたら白くて太いマネキンの様な物で微動だにしなかったと。

その話を聞きながら奇妙だなと思った。

忘れていたわけでもないのに、この2ヶ月間同じ場所を何度も通っているのにも関わらず、なぜかあの日の出来事を全く気に止めてなかったし、記憶を辿ってみてもあの時の光景と一致する場所では無い筈。
加えてこの話は誰にもしていなかったので買い出しに行ったやつは知らない。

とはいえ、その話をするのも後出しみたいで笑われそうだったから「お前飲み過ぎだよ」とか笑って誤魔化してたらそのうち全員で見にいこうぜって話になった。

変な奴の悪戯かも知らないし、危険かも知れないから武器持って行くかとか!?
包丁しかねぇよとか包丁はマズいだろとか、くだらないやりとりをして野郎5人素手でその駐車場に向かった。

で、着いた矢先に買い出しに行った奴が「あれ?」とか「ここじゃ無い」とか言い出した。
もっと古い駐車場でもっとみすぼらしい場所だったと。
奥に自販機があってそこにマネキンが立っていたんだと。

結局、飲み過ぎだとか酔ってねーよとか作り話乙とか話しながら戻り、明け方辺りまで飲んで寝て昼過ぎ頃解散した。

皆が帰った後一人件の駐車場に向かったが、そこには何度も見たいつもの小綺麗な駐車場があるだけで自転車も砂利も無く、そもそもボロいとか以前に自販機自体どこにも無かった。
気になったので、その後何度も立ち寄ったが以降は何ごともなく卒業し引っ越した。

忘れかけていたが、つい先日その時の買い出しに行った奴と飲む機会があり駐車場の話が出たので思い出した話。

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