祖父から聞いた、祖父の叔父にあたる人の話。(祖父はこの話を、自分の父親から聞かされたとのこと)
小さい頃の叔父(祖父のネ)は、山で遊んでると、いつの間にか姿をくらませてしまうことがよくあったそう。
村人総出でいくら捜しても見つからないのだが、3日位するとひょっこり家に帰ってくるという。
聞くと楽しそうに「山のおっちゃん達の所にいた」と、いたって元気そう。
それは大きくなってからもしょっ中のことで、どんな所でどういうことをしてきているのか家人が尋ねても、『山の人』たちとの約束で、言える事と言えない事があるそうで、すべてを語ることはなかったという。
それでも、普通の人が聞けば不思議な話ばかりだったという。
どうやって行っているかというと、ある大木のまわりを『山の人』の後ろについて一周していると、突然『山の人』たちの居住している世界へ入っているとのこと。
30歳位の時、「わしは36歳の◯月◯日に死ぬ。でもそれは他の人達の死と違うて、お山の親方んとこへ修行に入るんじゃから、悲しまんでもエエ」と言い、事実、その歳のその日に、静かに息をひきとったそう。