刻一刻と迫る死の前に・・・

カテゴリー「不思議体験」

父が死んだ時の話。

その日は、家族で週末のショッピングに行っていた。

買い物帰りがちょうど昼過ぎの時間帯で、駐車場で荷物を積んだ後、「どうする?寿司でも食べてくか?」と同じモール敷地内にある回転寿司屋を父が指差した。
しかし、「え~?無駄遣いしなくても、お腹空いたなら軽くお蕎麦でいいじゃない」と母は渋った。

特別な日でも何でもない普通の週末で、家計を預かる主婦としてはまぁ妥当な発言だ。
結局、みんなでフードコートの蕎麦を一杯ずつ食べて帰った。

そして、帰宅後しばらくして、父が心筋梗塞で倒れた。
救急車を呼んだが、助からなかった。

「なんでこんな急に・・・こんな事になるなんて分かっていたら、お寿司ぐらいケチらなければ良かった。人生最後の食事がスーパーの蕎麦1杯って・・・。ましてや、お寿司といっても回転寿司だったのに・・・」と母は泣き崩れた。

ずいぶん悔やんだらしく、その後もずっと父の話が出る度にその事を言っていた。

ブログランキング参加中!

鵺速では、以下のブログランキングに参加しています。

当サイトを気に入って頂けたり、体験談を読んでビビった時にポチってもらえるとサイト更新の励みになります!