異世界への入り口はどこにでもある

去年の夏の終わりの事です。

一人車で明け方の朝日を浴びて林道を走っていたとき、ちょっと不思議なことがありました。

車から降りて、小用を足していると急に霧というか、もやが出てきました。

静かです。
さっきまでセミやたくさんの蜻蛉が居たのに、何も居ません。
燦々とした朝日も、どこかに消えてしまい見えません。

こーん。

・・・遠くでガードレールを叩く音がしました。
霧はだんだん深くなってきます。

こーん・・・。

遠ざかり、近づくガードレールの振動。
だんだんと近くなってきている。

耳が痛いほどの静寂の中で、それだけが、近づいてくる。
ゆっくり。
もやのせいで遠くは見えません。

ガードレールに寄りかかっているのが怖くなりました。

車に戻り、魔物よけに一服してゆっくりと発進。

一分も走らないうちに、また突然晴れました。
セミがうるさいくらいです。

腕がひりひりするほどの日差し。
山中異界。
ふとしたところにあるです。

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