夢に出てこられて迷惑なんだよ・・・

自殺した知り合いがよく分からない形で夢に出て、現実とリンクしてきた。
自分でもどことどこがつながっているのかよく分からない、そんな話。
夢が絡むので、そういうのが嫌いな人はスルーしてください。

自殺したのは小中の頃の知り合いで、Nという男。
自分はその頃の彼しか知らない。
目は半開きで口の締まりが悪く、ぼっーとしているように見える顔のNは話方もたどたどしいのでちょっと変わった子だと思われていた。

性格は素直で悪い奴じゃなかったので、いじめられはしなかったが周囲からは少し浮いていた。

彼と自分とは大勢の仲間内で遊ぶ時に会うこともある。
そのくらいの関係だった。

ただ、小学生の頃、一度だけ友達と一緒に彼の家に遊びに行ったことがあった。
彼の部屋に東南アジアっぽい民芸品があるのが印象的だった。

月日が流れ、大学生の頃、夢を見た。
キタノブルーのような全体に青のトーンがかった世界で、広い畳の部屋に自分とNがいた。

自分とNは座布団の上で正座してお互いに向かい合っていた。
後ろにはためいている簾と、遠くに見える青い山々、そんな景色と目の前の中学生のままのNの顔を見て、自分はNが死んだと勝手に信じた。

「なんで死んだ?」
「なんで俺に会いに来た?」

黙って見つめ合うのが嫌で質問したがNは何も言わなかった。
何も言わないからこちらも質問をやめ、Nと見つめ合っている内に目が覚めた。

その夢から一週間ほど経った頃、学童保育の先生から電話がかかってきて、Nが自宅近所のビルの屋上から飛び降りて亡くなったことを知らされた。
大学入学後すぐ中退して引きこもっていたことも。

自分の夢はそういうことがたまにあるので、特に驚きもなく、中学卒業から会ってなかったので現実味もわかなかった。
葬式は家族葬で終えていて、家にお悔みにも行かなかった。

何日か経ってまた夢を見た。

自分は知らない家で知らない女と寝ていた。
お互い裸で事後だった。

眠れないので身体を起こすと、ベッドの真正面に階段があり、4、5階分あるくらいずっと上まで伸びていた。

目で階段を辿ると、一番上にNが立っていた。
身体は闇に隠れているのに顔だけが光っていた。

いつものように何を考えているのか分からない顔、その顔のままプールに飛び込むように脇の闇へ飛び込んでいった。

下は暗くて何も見えず、あっと思った後すぐに「どふっ」といやらしい音が聞こえた。

ああ、こうやってNは死んだのかな、ふと思い階段に目線を戻すと、またNがこちらを見下ろしていた。

Nはまた飛び降りた。

どふっ。

階段、飛び降りる、どふっ。
何回も繰り返した。
隣の女は眠っていて起きない。

勝手にやってろ、と自分は思った。
何もかもめんどくさくなって夢の中で寝ようとした。

意識が遠くなる間にもNが地面にたたきつけられる音が一定間隔で響いていた。
この夢を続けて何回か見た。夢を見るたびに女が途中で目を覚ましていき、最後はなぜかNではなく、自分の方を目を見開いて凝視していたのが薄気味悪かった。

夢は自分の精神的な問題だと思い、気まぐれにNの話を書くことにした。
なんてことない話をワードにつらつら書き始めた。

男女がホテルの一室で自殺した幽霊に会う。
幽霊を見たあと、男は首を絞めて女を殺そうとする。
動かなくなったところで、幽霊がまた飛び降りると、殺したはずの女が何故か生きている。

幽霊はいつまでも飛び降り続け、男は女の首を絞め続ける。。。
どうしようもない脈絡のない話、ただ、それを書いてからNはぱったりと夢にでなくなった。

1年ほど経った頃、サークルの友人つながりで知り合った女子と仲良くなり、或る日ノートの貸し借りの話で、彼女の下宿先に行くことになり、お互い雰囲気に流されて寝た。その日は彼女の家に泊まり、また夢を見た。

自分と彼女でNの家の前にいた。
インターホンを鳴らしても誰も出ないので、扉を開け、突き当り右のNの部屋に入った。

子供の頃、入った時の部屋のままだった。
民芸品の変な人形や壁掛けもある。

そこで彼女とオセロをして遊んだ。
遊んでいる内にこれは夢だと気づいた。

Nがもう亡くなっていることにも。

Nはどこに行ったんだろう?
ちらちら部屋の周りを見ていると、もうすぐ来るんじゃないの、と気のない返事で彼女が言った。

自分はNと一緒に遊びたかった。
飛び降りだけ見せられて別れるのがなんとなく嫌だったから。
でもNは結局現れずに目が覚めた。

自分が目を覚ますと、彼女は既に起きていて、涙目で怯えていた。
怖い夢を見たのかな、と思って聞いてみると実際そうだった。

内容を言いたがらない彼女から、問い詰めるみたいに聞き出した。
彼女は知らないマンションに自分と二人で行き、子供部屋で首を絞められて殺されそうになる夢だと言った。

誰が首を絞めたのか、聞くと、彼女は自分を指差した。

自分が物凄く怖い顔だった、夢なのに今とても怖い、と言って謝られた。
そして、首を絞められている途中、助けを求めてベランダに顔を向けると、ぼっーとした顔の知らない男の子が立っていたと言った。
そこで目が覚めたと。

もちろん彼女とNには何の接点もなかった。

その後、彼女とはなんとなく気まずくなりまた仲間内で遊ぶだけの関係に戻った。
自分が書いた変な小話は削除した。

それからNは夢に出て来てない。

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