介護の話じゃないんだけど、それよりもっと前の俺が大学に通ってた時の話。
あんまり真面目な学生じゃなかったから、片道2時間かけて通って出席カードだけ出してまた2時間かけて帰る、みたいな事を良くやってたんだ。
その日もそうで、出席カード出し終わって友達と少し喋ってさあ帰ろうかと新宿から電車に乗った。
大学に向かう時は通勤通学ラッシュでパンパンだった電車も下りは空いてて、新宿から乗った時点でもう座れたのね。
俺は座席の一番端に座って仕切り?みたいのにもたれて眠ってた。
途中何度か起きたんだけど、その度に人が減っていってるのが当たり前だけど印象に残ってる。
ふと、洋服の裾をこう「つんつん」って引っ張られるような感じがして目を覚ました。
ちょうど子供が大人を呼ぶときに「ねぇねぇ」ってやるようなあの感じね。
あれ?と思って目をやると誰もいない、どころか車両にいるのは俺1人。
おかしいなと思ったのは事実だけど、ちょうど降りる駅の直前だったんでとりあえず降りた。
いつものパターンなんだけど、こういうサボり方した時は必ず地元のゲーセンに行くのがお定まりだったので、さっきの事なんてすっかり忘れてゲーセンに到着。
入口の自動ドアをくぐるとすぐ両替機があるんでそこへ千円札をいれた瞬間、背後の自動ドアがガーっと開いた。
わりと知り合いが多いゲーセンだから「誰か来たかな?」と思って振り向くも誰もいない。
不思議に思ったけどお金取ってなかったからまた両替機の方に向き直ると、急に耳元で小さな女の子ぐらいの感じの声がしたんだ。
なんて言ってるのかは全く分からなかったけど、一気に電車の中の出来事が頭に浮かんで怖くなってゲームしないで帰った。