
30年近く前、俺がまだ小学生の頃、旅行で鳥取県にいったんだ。
当時はカーナビがなく、道に迷って凄くおおきい湖の周りをずーっと車で走っていたんだけど、対向車もなければ、店も家も全然無い。
でも、湖沿いの道だしこのまま走っていたらどこかにたどり着くだろうと思ってずっと走っていたら全然着かない。
もう暗くなってきていて、このままじゃたどり着かないかもと焦っていたところ、突然、道の脇に小さな雑貨屋というか、昔の洗剤から食品まで取り扱うような小さな店があった。
そこで止まって中に入ると老夫婦がいて道を聞いたら「このまままっすぐ湖沿いにすすむと、すぐ大通りに出ます」といわれた。
お礼を言って缶コーヒーだけ買ってそのまますすむと、本当にすぐ大通りに出た。
少しいくと通る予定だった道があったので、そのまま旅館にたどり着くことができた。
予定より遅くなったのでバツが悪かったのか、親父が言い訳のように「この近くの湖のところで迷ってしまって・・」というと、仲居さんが「この近くの湖ですか・・?迷うほど大きい湖はこの近くにないんですが・・・倉吉の方に間違えていかれたとか?」
「いえ、本当にすぐそこの湖で・・」というと変な顔をされてしまった。
部屋に案内されて、胴路地図をみると確かにその近くに湖は無い。
倉吉市というところをみると、そっちには複数の湖というか池というか、そういうのがあったが
旅館の近くには湖どころか池も川もなかった。
あの時、一体どこに迷い込んだんだろうなあ、とふと考える時がある。
あと、あの老夫婦は一体何者なんだろう、と。