山って「何か」がいそうな気分になるよね。
親父が教えてくれた話を一つ。(子供の頃の思い出ね)
新潟の十日町の近くにある故郷で、ある冬の日のこと。
朝一番に表にでたら雪の上に奇妙な足跡が残っていた。
人の足跡みたいなのだが、右足と左足の大きさがひどく違っていたとか。
雪なのに深靴もかんじきも履いておらず裸足ってことも変。
何よりも雪の上に残っていたのが不思議だったらしい。
親父はその足跡に近付く為、腰まである雪を掻き分けたそうだ。
足跡は山の方からずっと続いて、家の向こう側にある線路のとこで途切れていた。
親父はそれを婆ちゃんに報告したら「鬼が来たなぁ。これからしばらくは夜、絶対に外に出てはダメだぞ」ときつく言われたそうな。
親父はしばらくどころかその冬中、怖くて外なんか覗けなかったらしい。
足の大きさが違う「鬼」。
文献とかでもあまり聞かないけど、こんな話もあるってことで。