桜にも思念がある

カテゴリー「不思議体験」

不思議系でいくつかご紹介・・・。

【咲かないはずの桜が】
今は亡くなった父方のじいさんから聞いた話。

じいさんは子供の頃から、花見が大好きで、庭の桜が咲くのを楽しみにしていた。
桜が咲くとお母さん(俺の曾祖母)が団子を作ってくれて、家族で花見をするんだけど、当時だからお団子は御馳走で、それも楽しみだったって。

じいさんが8歳くらいの頃、曾祖父が桜の木を切って、柿の木を植えようとした事があったのだが、じいさんがとてつもなく、わんわん泣いて止めるから、じゃあ、切らずにこのままにしようと言う事になったらしい。

昭和18年の2月、じいさん24歳の時、じいさんは、あと2カ月もすれば桜が咲くと、凄く楽しみにしていたのだが、赤紙が来て出征しなければいけなくなった。
奥さん(俺のばあさんね)にも「桜が見れんのは残念だなあ」ってしきりに言ってたんだ。

それが、出征の日。
家から出たら、じいさんは仰天した。
2月にも関わらず、桜の花がホンの5、6個だけど咲いていたのね。

「俺のために桜が咲いてくれた。」

そう言って、じいさんは涙を流した。
後にも先にもじいさんが泣いたのはこの時だけだったから、ばあさんは凄く驚いたらしい。
そんな事があったから、戦争が終わってからも、じいさんは桜を大切にした。

もうひとつ驚いたのは、じいさんが亡くなってから2年後、桜は後を追うように枯死したって事。

今、庭には、枯れた桜から接ぎ木した、二代目の桜が毎年花を咲かせている。

【怖がりなおじいさん】
母が仕事場の同僚さんに聞いてきた話です。

同僚(以下Aさん)は、おじいさんと同居しているそうです。
おじいさんの趣味は盆栽で、なかなか良い作品らしく、展覧会などでいくつか賞をもらったこともあるそうです。
ある日のこと、いつも通り盆栽いじりをしていたおじいさんが、酷く動揺しています。

「どうしたの?」と慌てて聞くと、おじいさんは「喋った」と。
意味が分からず、「誰と?」と聞きなおすと、「盆栽が!喋ったんだ!!!」と声を荒げます。
Aさんは半信半疑でしたし、少し可笑しくなり、「なんて言ってたの?」と聞くと、「いつもありがとうって・・・」と。

それは良い事だねって言うと、おじいさんは静かになり、Aさんも本当の事なら、おじいさんの愛が伝わったのだなぁと嬉しくなったそうです。

と、ここで終われば良い話なんですが、このおじいさん余程怖かったのか、すぐに手元にあった全ての盆栽を売り、道具も手放し、その一件以来、盆栽には一切手を出していないそうです。
賞をもらう位なんですから良い出来なのでしょうに、ちょっと勿体ないw

お礼を言って売っぱらわれるとは、盆栽も思ってなかっただろうね。

ブログランキング参加中!

鵺速では、以下のブログランキングに参加しています。

当サイトを気に入って頂けたり、体験談を読んでビビった時にポチってもらえるとサイト更新の励みになります!