座敷童子くん

カテゴリー「不思議体験」

ウチの両親が定年退職後の楽しみとして、某所に別荘を建てた。
完成直後に荷物運びの手伝いがてら見物に行ったのだが、目の前が電力会社の保有林で人工物もなく、観光船で川下りをしてるのが見えて、なかなかよいところだった。

「事前に連絡をすればいつでも使って良いよ」、と言われたので、ある日嫁さんと友人夫婦との4人で泊めさせてもらうことにした。

バーベキューなどしているうちに夜も更けたので、二階に友人夫婦、一階に俺と嫁さんという部屋割りで寝た。

うつらうつらしていると、突然窓の方で「ガチャン」という音がして、それにビックリしたのか嫁さんがしがみついてきた。

その音は窓に鍵をかけた音と同じだったし、戸締まりは俺がした事もあって「ああ、中途半端に鍵かかかっていたんだな。しかしこんな音で怖がるなんてカワイイ奴め」などと思いつつ、嫁さんの頭をナデながら再び眠りについた。

翌朝友人夫婦を起こしにいくと、奥さんに妙なことを聞かれた。
明け方頃、俺が二階にこなかったか?と言うのだ。

もちろんそんな覚えはないのでどうしたのか聞くと、明け方頃、誰かが部屋に来て「あ~うんうん。この寝かたでおっけ~」と言って部屋を出て行ったそうだ。
その口調が俺のしゃべり方に似ていたので、奥さんはてっきり俺が部屋に来ていたと思ったらしい。

そりゃ寝ぼけていたんだよ、などと笑いながら一階に降り、その話をウチの嫁さんに話すと、少し言いづらそうに嫁さんが語りだした。

実は前の夜、鍵が閉まる音を聞く直前に、風呂からシャワーの音が聞こえてきたらしい。
嫁さんは始め川の音かと思っていたが、ピチャピチャピチャと明らかに水が体に当たる音がするので妙に思い始めた。

俺達が寝ていた一階は部屋の仕切りがなく、一つのフロアだった上に、風呂のすぐ近くで寝ていたため誰かが通ればすぐに気づくはずだ。

意を決して風呂場を除いたが、当然ながら誰もいなかった。
首を傾げつつ布団にもぐりこんだところ、件の鍵の音が聞こえてきたそうだ。

結局なんだかよく分からなかったが、そんな事があったとは露知らず、朝、嫁さんの話を聞いてほんのり。

ちなみに嫁さんは、びっくりはしたけどあまり怖いとは思わなかったそうだ。
以来、うちらの間では「座敷童子くん」と呼ばれており、今度の週末にも会いに行く予定ですw

言われてみりゃ確かに、鍵はかなり力を入れて閉めたんだよな。(ていうか、まだ作りたてだったせいか、力を入れないと閉まらなかった)

あとなにげに、別荘のすぐ近くにお稲荷さんなんかあるんだよな。
気のせいとか寝ぼけてたとか色々な説明はつくかもしれんが、そのあたりなんか関係あるだろうか・・・。

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