明らかに母とは声が違う

カテゴリー「不思議体験」

聞いてもあまり怖く無いかも知れんが、当時の俺は中々怖かったから聞いてくれ。

まだ俺が中3の頃、ふかふかしたベッドが母さんの部屋にしか無かったから、母さんが仕事行ってる時はベッドに潜って跳ねながらケータイで何か見たりしてた。
母さんが帰ってくるのは1時以降で、学校が終わってから特に何も無い時は大抵母さんの部屋にいたんだ。

んで、ケータイで見るサイトも色々で、ゲームの攻略サイトだったり2chまとめサイトだったりだったけど、その日はある心霊サイト見てた。

んで、昔から怖いの好きだった俺は、「くねくね」とかそういうの見て大爆笑してた。

『いる訳無いじゃん!!とか幻覚だろー』とか。

んで、その前の日にゲームやってオールしてたから、眠くなって寝ちゃったのね。

起きたのが12時過ぎで、そろそろ起きないと母さん帰ってくる!!と思って微妙に焦ったけど、何故かまぁ大丈夫だろみたいに考えてまたダラダラし始めた。

今思えばそれが良かったのか悪かったのか分からないけど、とにかく助かったのは事実・・・。
またケータイ弄ってたら、ひとりかくれんぼのまとめサイトにたまたま飛んだ。

ホラーな話しでワクワクしてた。
読み終わって、「やってみたいなぁ、幽霊なんて所詮目の錯覚だ見れるもんなら見てみたいな」とか口に出して、ケータイのぷよぷよをやりはじめた。

1時くらいになって異変発生。

夏だったから窓開けてたんだけど、何か外から人の呻き声が聞こえてきた。
最初は誰かの緊急事態!!とか思って、起き上がって窓から外見ようと思ったんだけど、さっきまで心霊系のサイト見てたから怖くなっちゃって、でもし人が倒れてたらまずいし・・・と恐る恐るカーテンをめくってみるた。
すると、案の定外灯の下に人が俯せに倒れてた。

一瞬幽霊じゃなくてホッとして、『やっぱ幽霊なんかいる訳無いよなぁ・・・』とちょっとがっかり。
すぐに倒れてる人に窓際から声かけたのね。

その人は何か一瞬プルプルとして、顔を上げて来たんだけど、その顔を見て明らかにおかしかった。
何か額から血が出てるっぽかったんだけど、顔が満面の笑み。
こちらを見て、ニヤァって感じで見てたから、体が勝手に動いて窓を閉めて鍵かけてカーテンも閉めた。

咄嗟に「うわっ・・・」と声を漏らしたんだけど、閉めてから数秒後に窓が「バンッ!!」って音がして、すぐに『さっきの奴が叩いてるんだ!!』と思った。

んで、自分の部屋に戻ろうと思ったんだけど、居間は暗くしてたし、自分の部屋の窓が開いてるの思い出して、母さん帰ってくるまで篭城しようと考えた。

その間も、窓が叩かれるし、遂に声が聞こえてくる有様。
「開けろ」とか「入れてくれ」みたいな事言ってた気がする。
しかし、無視。

小さい頃から、ホラー好きな父にゾンビ系とか心霊系とか見せられてたから、無視が一番だと思ったし、恐怖が勝ってたから大丈夫だった。
テレビ付けて、深夜番組見て笑おうと思った。
けど、テレビつかず、仕方ないからケータイ弄り出す・・・。

その間も短い間隔で声が聞こえたり窓叩かれたりした。
でも2~30分くらいしてから、音が止んだ。

帰ったのかな・・・?と思った瞬間、居間の方から「ただいま~」って女の人の声が聞こえてきた。
だが、俺は騙されなかった。

第一に、帰ってきてまずする事は自分の部屋に戻って荷物を置くし、母が「ただいま」などと言う筈が無い。
第二に、明らかに声が違う人、似てるとは思うがほぼ毎日聞いてる俺が間違える訳が無い。
第三に、明らかに部屋に俺がいる事が分かってるような口ぶり、部屋の電気消してたし、テレビもつかなかったからわかる筈が無い。
第四に、猫が鳴いてない、あの猫は母が帰ってきたら真っ先に飛んでいってニャアニャア鳴き始める。(正直これが一番大きい理由)

以上の事から、十数秒後に、居間に向かって、「バァカ!!アーホ!!」とか、「浅知恵で人間様を騙せると思うよマヌケ野郎!!」と叫んでみた。

ぶっちゃけ母さんだったとしたら、「寝ぼけてんの?」みたいに言われるだけだから、ノーリスクローリターンだった訳だし。

そして俺が叫んでから、居間と母さんの部屋を塞ぐドアが凄い勢いで叩かれた。
あまりの音の大きさに、ビクッて体が震えたが、我関せずとケータイを弄る。(実はこの時、結構ビビってたけど強がってケータイ弄ってた)
何度も何度も扉を叩かれる音と、叫び狂う声。

その間も、「叫ぶ事しか能が無いのか!!ドアを開ける事も出来ない低脳が!!」とか言った気がする。

まぁそんな感じで挑発してると、またピタッと音が止んだ。
流石に大丈夫か?と思ったが、今度は部屋全体からビシッビシッって音が鳴り出した。
所謂ラップ音。

マズイ、怒らせたか?と思って、ガチビビりに入る。

ケータイでぷよぷよやってると、ケータイも急に電源が落ちて、とうとう明かりが無くなる。
終わった・・・とか思ってると、いきなりテレビと電気が点いた。

そして扉が開かれた。

そこには母さんがいた。

「なにやってんの」と言われた。

俺:「いや・・・色々あったんだけどさ・・・」

速攻で夢と否定されたが・・・でまぁ、母が俺にとっては救世主とゆう事になった。
曰く、「その話が本当なら私が来たから幽霊逃げたんじゃね?」みたいなノリ。

んで早く部屋に帰れって言われて、部屋に戻ったら猫が俺の布団で震えていたから、やっぱり何かあったのは確かだ・・・と思った。

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