俺の高校の話を聞いてくれ。
俺が通っていた高校って宗教関連の学校で、裏山に寺と墓があった。(そこの寺の住職が始めたのが学校の起源らしい)
広い和室があって、そこで木魚叩くような授業を今でも余裕でやってるで、そのせいか知らないけど怪談が割と多かった。
しかも私立で先生の異動が無いから、ン十年勤めている人がざらだから先生自身が遭遇した事件・・・なんて話を仲の良い先生から聞いたりした。
今日はそのうち印象に残っている物を一つ紹介したいと思う。
時期は二十年弱前の2月の半ば・・・。
二階建ての木造校舎での話だ。
その日は学期末テスト期間の真っ最中で、生徒は全員午前中で帰宅する日だった。
そんな日は先生達も早く帰宅できそうなものだけど、そうは行かない。
2月と言えば生徒の進路の事を初めとして雑務が多い、テストの採点もしてたら夜になってしまう。
先生もそんな可哀想な先生の一人で、木造校舎一階の自分の教室で採点をしていたら18時を回っていたそうだ。
もう木造校舎に残っているのは先生一人だったが、それでも「後少しだから・・・」と頑張っていると、突然二階から若い男の叫び声と、物が倒れる凄い音がしたんだそうだ。
叫び声は「わぁぁぁ!」って感じで、ケンカで殴りかかる前の掛け声みたいな感じだったそうで、先生は咄嗟に「生徒の喧嘩だ!」だと思って、二階に駆け上がった。
電気がついている教室は一つだけだったから、先生は迷わずドアを開けて「おいっ!」って叫んで教室に入ったんだそうだが、そこには先生の予想に反して誰も居なかった。
その代わり、全ての机が教卓の方・・・要するに教室前方に向かって倒れていたんだ。
椅子は少しも異常なく、机だけが一つ残らず蹴散らした・・・って感じはなくてちょっと変な言い方だけど規則正しく前にバッタリと。
さらに全ての窓という窓が開かれて、2月の寒い風がカーテンをバサバサ言わせていたらしい。
机に乗らないと開けられない天井に近い窓まで全部開けられてて、異常というか、異様な光景だったそうだ。
以上。
この後は職員室から残っていた他の先生を連れてきて教室を片付けて終わりで、何も事件は起きなかった。
当然叫び声を上げた生徒も見つからなかったし、以後同じことが起こった事は無いそうだ。
ちなみに、施錠の確認をしてから帰宅するはずの担任の教師に聞いたところ、全ての窓が閉まっていることを確認して、確かに施錠をしたと証言したらしい。
いざ書いてみると、さして怖くない気がしてきた。
まぁ、少しでも楽しんでもらえれば嬉しいよ。
実は件の木造校舎はまだあってね(使われていないが)友人と一緒に入ってちょっと不気味な思いをしたりもした。
上の見たいな微妙な話が多いけど、これから何度かお世話になるかもしれませぬ。