去年の今頃にあった話を書いてみる。
そんなに怖い話でもないかもしれんが・・・。
お盆も過ぎるかな、くらいの頃。
夜勤担当なんで、俺はいつも通りフライヤー洗いやら品出しやら色々やってたんだ。
ちなみにウチのコンビニは夜勤は一人体制。
で、バックヤードのPCで発注してたらやたらと誤報が鳴るんだよ。
お客さんが来たときの「ピンポーン」って音。
最初はいちいち店内まで出て「いらっしゃいませ」って言ってたんだけど客はいない。
まあ誤報はたまにあるからいちいち気にしてなかったんだ。
夏に誤報が多いのは店内に蛾が入ってきて、それに反応したのかな?って思ってる。
虫のいない冬場にも誤報があるのは謎だけど、作業がある程度済んだころ、お客も来なくなる2時過ぎくらいに、いつも冷蔵庫入ってジュースと酒の品出ししてたのね。
それで冷蔵庫の中って音が聞こえないから、いつもバックヤードに鳴る来客音を聞くためにドアを開けたまま作業するんだ。
でも誤報があるくらいだから・・・正直あんまり来客音はアテにしてない。
お客さんが入ってきても、まれに鳴らないでカウンターで待たせちゃうこともあるから。
だから時々、冷蔵庫の棚と棚の間から店内を覗き見て、お客さんがいないか確認しながら品出ししてるんだわ。
しばらく品出ししてて、20分くらい経ったころかな?
品出しに必死で店内の確認を忘れてたから、カウンターが見える棚の隙間を見てみたら、お客さんが目の前にいたの。
うつろな目でアサヒスーパードライを見てたんだ。
直後に俺とモロに目が合った。
なんか疲れきったような感じのしょぼくれたオッサンだった。
一瞬心臓が止まるかと思うくらいビビッた。
酒の棚と棚の間からだから全体像は見えなかったんだけど、お客さんいたの気づかなかった。
やべぇと思って慌てて出てったんだ。
クレームにならないようにいつもより元気に「いらっしゃいませー!」って。
そしたら店内には誰もいなかった。
棚に隠れて見えない位置に移動したのかと思って店内を見て回ったけど誰もいない。
トイレも確認してみたけど誰もいなかった。
あれぇ?勘違いか??
って思って、仕方なく作業に戻ったのね。
その時点でちょっと心拍数は上がってたけど。
もしかしたら、お盆でこっちに帰ってきてた人がアサヒスーパードライが飲みたかったのかもしれない。
品出しも終わってそう思いながら冷蔵庫を出たときに、またピンポーンって鳴ったんだ。
今度こそ客か?と思って店内に出ていったら、また誰もいなかった。
あー、もしか今見た人が買えないと諦めて帰ったのかもしれない。
ってなぜか思って「ありがとうございましたー!」って元気良く言っておいた。
今年もまだその店で働いてるけど、今年は出てないなぁ。
誤報は相変わらず多いけどね。
あまりに誤報が多くて、監視カメラ見てから店内に出る癖つけたのに、お客さん入ってきたように見えたのに、いないんだよなぁ・・・。
以上です。
怖くなかったかもしれませんが、俺はマジでビビった体験でした。