送り主は誰なの?

カテゴリー「不思議体験」

大学時代の友人Aとでもしとくわ。
そいつが昼休みにした捨てられない手紙の話。

大学時代いつも仲のいい7~8人ぐらいでつるんでて一緒にメシ食ったりしてたんだけどね。
その中の一人Aが真剣な顔で相談に乗ってほしいって俺らに言ったことがあったんだわ。
これ見てほしいって1枚の手紙出してきた。
そいつ1回女絡みでトラブって俺らのネタにされてたから、またかよwwwwみたいな感じのノリで俺らみんなwktkしながら、グループの中の一人がその手紙音読しだした。

『Aくんへお元気ですか?』

至って普通の手紙だった。

『どんな遊びをしてますか?友達はたくさんいますか?天気はいいですか?私はただただ貴方が羨ましい』

中盤までずっとこんな感じだった。
実際手紙見たけど文章長過ぎてこれはだるいわってなって全部音読者に任せた。
かなりはしょってるけど実際はことあるごとに「羨ましい」の単語連発だった。

『○○ですか?貴方が羨ましい。○○はどうですか?貴方が羨ましいです。』

みたいな感じ。

中盤から終盤にかけて内容が一気にネガティブになった。

『私は暗く狭い部屋の中でいつもひとり。寒くても寂しくても辛くても誰も助けてくれない声もかけてくれないずっとひとり』

みたいな聞きたくもない内容がびっしり書かれていた。
なんだこいつ入院でもしてんのか?とか思いながら正直俺もみんなも途中で飽きてた。
手紙の最後は『いつかここから出られたらAくんは喜んでくれるよね?』だった。

手紙読み終わってから「何これ元カノ?この女キモくね?wwwwww」と、つまんない手紙だったけど一応ネタにしようとみんな盛り上がろうとしたんだわ。

俺らのグループってかなり騒がしくてさ、何でもかんでもネタにしちゃうようなノリの集団だったから。でもAは深刻そうな顔してピクリとも笑わないの。
あー・・こりゃ重症だわストーカーか?とか思ってた。

俺:「でこれの送り主は誰なの?」

A:「知らない」

俺:「だってAってお前のことだろ?」

A:「俺じゃないんだよ・・・」

手紙に書いてあるAってのは実名じゃなくてさ、あだ名で書いてあったんだ。
例えばあつしならあっちゃん。
やすきならやっくん・・・ぐらいのレベルのあだ名でさ。

確かにAの名前に通用するあだ名だったんだけど、そういうレベルのあだ名なわけだから、いくらでもいる。
だからこれは俺のことじゃない・・・とのことだった。

俺らは「ちょっと何言ってるかわかんないっす」状態でAから色々聞き出した。

Aから聞いた内容はこんな感じ。

この手紙は誰かからもらった覚えはない拾った覚えもない。
なぜ持ってるかはわからないけど、小学4年の時点では確実にあった。
少なくとも今までに3度は捨てた記憶があるけどなぜかずっと残ってる。
3度目なんて燃やしたぐらいなのに未だに残ってる。
そのうち捨てたり燃やしたりしたのは夢だと思い込むようになり、捨てようとすることをやめた。

ここまで聞いたところでみんなの目が輝きだした。

俺:「おいおいちょっとこれやばいんじゃないのwwwww」

俺:「この手紙呪われてんじゃね?wwwwwww」

そう言って盛り上がってたらAがもう1枚手紙だした

A:「これ・・2通目・・・」

『やっとここから出れたよ!!!うれしいね!嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい』

↑まじでびっしり終盤まで書いてあった。

全員一瞬で血の気が引いた・・・。

手紙の最後に「次はAくんの番だね!」って書いてあった。

お前よくこんなの持ってたな・・・。
いやこれは捨てようぜってみんな苦笑いしながら言ってた。

A:「これ届いたの昨日なんだよ・・・」

俺:「え?だって小学生のころからあったんだろ?」

A:「だから2通目は昨日届いたんだよ」

俺:「いや、10年経ってから2通目届くとかおかしいだろ?意味わかんねってw」

A:「意味わかんねぇのは俺だろおがああああああああ!!!!!」

Aマジギレだった。

とりあえず警察に相談してみろよ、とかもっともらしいこと言ってその場は終わったけど、たぶんみんなこれ以上関わりたくないと思ってた。
俺も正直まったく関わりたくなかった。

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