この間起こった事だが聞いて欲しい。
俺は現在福岡在住で大学に通っている。
先月の始め位に大学の友人宅のPCで怖い話を見ていたんだ。
読んでいた話の中に犬鳴絡みの話があった。
俺は何度も犬鳴には行っていたし、「こんなの眉唾だよな」、何て話してたら以外にも友人は喰らいついてきた。
友人は元々大学で県外から来ていたから、犬鳴には行った事も何かったらしく、ある程度知名度の高い心霊スポットだったから、興味を持ったようだった。
丁度、次の日予定は無く、軽いノリで行く事にしたんだ。
それぞれ自分の単車に乗って行き、20分程で犬鳴の旧道前の門に着いた。
俺は何度か来ていたから何ともなかったが、友人は大いにビビってくれて、何故か気分はハイテンションになった。
単車を門の前に置き、俺一人ハイテンションのまま友人を引きずるように旧トンネルに続く道を歩いた。
友人は終始ビビりっ放しで、ちょっとした物音にも奇声を上げてた。
友人を引きずる事10分、俺達は旧トンネル前に着いた。
何度も来てはいたが、何度見てもデカいブロックで封鎖された入口には圧倒される。
友人は既に半泣き気味みだった。
俺が「さあ入ろうか」と言うと、友人は凄い勢いで嫌がった。
「入るなら一人で行け」と言い出し、頑として入ろうとはしなかった。
目も据わリ始め、こうなった友人はテコでも動かない。
そうこう言い合いをしていると、入口の方から数人の話し声がしてきた。
どうやら、他にも肝試しの人達が来たらしかった。
その中の一人が俺達を見て、「大丈夫ですか?」と声をかけて来た。
言い合ってるの見て、ケンカしてると思ったのか、仲裁に入って来たようだった。
俺がケンカじゃないと軽く事情を説明すると、五人いた中の一人が「なら僕達と入りませんか?」と言い出した。
元々興味はあった友人は考え込んでいた。
多分先程までは、興味より恐怖が勝っていたのか嫌がっていたが、人数が増えて恐怖が薄れたのか、友人はその提案に了承した。
俺達二人と提案した五人、計七人でトンネルに入る事になったが、正味な話全く怖くなくなった。
友人は既に意気投合してて、馬鹿笑いしてるし、友人をトンネルに入れたいから、俺も了承したが、怖くなくなったら肝試しも何も無い。
俺は一気に興味が削がれた。
その後、当たり前の様に何も無く、奥まで着き、さっさとトンネルを出た。
俺達二人はもう帰ると言うと、五人はもう少しいると言い、俺達はトンネル前で別れた。
友人は行きと違い意気揚々と歩き、「今日は楽しかった」などと言っていた。
ビビってたくせに・・・。
俺達は単車に乗り、余韻というか、帰りはゆっくりと峠を下っていた。
ゆっくりと風景を楽しみながら走っていると、先を走っていた友人が急に飛ばし出した。
何事?と思いながら後を追うと、峠を抜けた所にあるコンビニに友人は入っていった。
友人は単車を降り、地面に座り込んで肩で息をしていた。
俺が「どうした?」と話しかけても、ずっと息を切らしてるだけだった。
俺はコンビニで水を買い、友人に渡し落ち着くのを待ち、そして話しを聞いた。
ここからは友人の話だ。
友人は今日の事を考えながら走っていると、一つのおかしな点に気付いたらしく考えながら走っていると、
林の中で人が立ちこちらをじっと見ていて、とにかく明るい所と思いコンビニに入ったと言っていた。
俺は「勘違いじゃないか?」とか、「ただ人がいただけじゃ?」と聞いた。
犬鳴にも少ないが人は住んでるし、そんな事がそうそうあるとは思えなかったからだ。
だが友人は「間違いなく人はいた!」と言い、そしてこう言った。
友人:「林の下にいたんじゃない、俺達がいた道路と同じ高さで林の中にいた」
俺も今一つ要領を得なかったが、要約すると、林の中で浮くようにして、こちらを見ていたという話しだった。
「それに、門で気付いたか?俺達の単車以外、車一台もなかったの?あの五人もおかしい」
それを聞いたら、流石に気味悪くなり、俺達は飛ばすように帰った。
そして肝試しから三日程経った位に友人から連絡があった。
友人宅で飲もうという話しだった。
用事も予定もなかったから、二つ返事で了解して友人宅に行った。
友人宅に着くと、友人は何かを確かめるように、外を見渡してから部屋へ上げてくれた。
友人は挙動不審で、何故か台所には伯方の塩が大量に積んであった。
明らかに挙動不審で言動もおかしかった。
もしかしてと思い、肝試しのせいかと聞いてみると、最初はごまかしていたが、無言の圧力をかけると友人はポツポツと話し出した。
肝試しから帰り、気味悪くなった友人は盛り塩をして、寝ていたが夜中にドアをノックする音で目を覚まし、ドアスコープから覗くと、今日肝試しで会った五人がいたらしい。
友人はゾッとし、玄関から離れたが、このままではいれないと、もう一度覗くと五人の姿は無かった。
友人は急いで布団に潜り込もうと部屋に戻ると、窓にかかったカーテンに五人の影が映っていた。
友人は大声を上げ、電気を点け包丁片手にカーテンを開いたが、誰もいなかったらしい。
その日は寝れずに一晩を過ごしたそうだった。
そして、肝試しの日から毎晩同じ事が起こり耐えれなくなり、俺を呼んで気を紛らわせようと思ったそうだ。
俺はそれを開いた瞬間に帰ろうとしたが、見た事ないような顔で必死に引き止められ、断れずその日は泊まる事にした。
流石にその日は楽しむ気にはなれず、飲むだけ飲んだら、さっさと寝る事にした。
そして、その日の夜中、聞いた通りにドアをノックする音がして目を覚ました。
友人も目を覚ましたようで怯えるよういドアを凝視していた。
そうしてる間もドアをノックする音は止まず、友人のかわりにドアスコープを覗きこんだが誰もいなかった。
そうしていると友人の悲鳴が聞こえ、部屋に戻ると今度はくっきりとカーテンに映る五つの人影が見えた。
二人して大声を上げ、固ってうずくまるように朝を待った。
朝が来て、部屋を見渡すと、盛り塩が黒く変色していた。
友人に聞くと、毎回朝になると変色しているらしかった。
実際に事を見てしまうとこれはヤバいと思い、その日の内にお祓い出来る所を探し、バイトの給料は飛んだが、お祓いをしてもらった。
友人はお祓いをしてもらい体が軽くなったと安心していた。
100回行って何もないかもしれない、でも101回目はわからない。
長文駄文ですが、最後まで読んでもらいありがとうございます。