東京奥多摩方面の話

カテゴリー「怪奇スポット」

東京奥多摩方面の話。

川苔谷(かわのりやま)の逆川の支流に病ヶ沢(ヤマイガサワ)という沢がある。
ここに行って仕事をすると病気になるとか怪我をするといい、林業従事者は行かないらしい。
名前が不吉だからだと言う者もおり、病マヌヶ沢に名を変えたが、その後も誰も行きたがらないという。
この付近に平地があり、掘ると食器の欠片や女の髪が出るという。

また倉戸山(くらどやま)も不吉な山として〝名の悪い山〟と昔から言われていた。

大昔、小河内で暴れまわった山ン婆は子供を拐って食ったといい、退治された後も祟るので、体を三十六に斬り分けて埋めた。
その墓が倉戸の麓にあった。
今は湖底に沈んである。

倉戸には昔、小屋を掛けて住んでいた家族が居り、その家の婆さんはランプの火が燃え移り、焼け死んでしまった。
それからその付近の山を買うと良くない事があるといい、裏手の山は湿った場所で枯れ葉が腐って滞積した場所があったという。
そこで丸太ほどの太さの蛇を見たという人もあり、また尻尾の方にも頭がある山鳥が住んでいると言われ、気味悪がって仕事を頼んでも行く者はいないという。

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