審査員の印象

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

二十年くらい前にとある選手が語っていたフィギュアスケートの現実。

数あるスポーツの中でも金がかかると言われるフィギュアスケート。
衣装代や練習料など、何千万単位で金がかかり、一流選手になるためには一流のコーチにつかねばいけないため、フィギュアを習うためにかかる金は天井知らずとも言われている。

語っていたのはとある国の選手で、世界でもトップクラスの実力の持ち主だった人。
彼女いわく「一億出せば誰だってフィギュアスケーターにはなれるわ」とのこと。

選手:「アフリカの子供たちが、将来の夢はサッカー選手っていうのは、サッカーがお金もかけずに才能だけでプロになれて、お金が稼げる数少ないスポーツだって子供ながらに分かってるからよ。サッカーは黒人でも点が取れるわ、ゴールに入れさえすればね。でもフィギュアはそうはいかないの」

その選手によればフィギュアスケートは、その語源からも分かる通り、どうしても美貌>>技術の側面が強い。
同じくらいの実力で、たとえば一方が日本人選手、もう一方がロシア人選手だとしたら、ロシア人選手のほうが審査員の印象はよいものなのだ。
そのため、どうしてもアジアでは体格のいいチャイナやコリア、黒人より白人が、白人の中でもロシアや北欧が美しいと見られる傾向にあるという。

選手:「私はね、そこまで才能はないわ。トリプルアクセルなんて三回に一回しか成功しないし、スピンも体の軸がわずかにぶれるし、ステップもキレがないって自分で分かってる。私のママはお金があった、そしてフィギュアスケートというスポーツを知っていた。だから私は4歳からフィギュアを習った。でもね、本当にフィギュアをやるべき人は他にいるのよ。」

選手:「世の中お金持ちなんてそこまでいないわ。それに、自分にフィギュアスケートの才能があるって知ってる人がどれだけいるかしら?きっとスケート靴を履く機会もなく、貧しい子の中にものすごい才能を持った子がいるはずよ。」

選手:「でもフィギュアスケートはそんな子たちに門戸を開いていないの。貧乏人なんか最初からお断りよ。才能のある子を発掘するって簡単に言うけど、それなら国中の子どもたちにスケートを一日やらせて見ていくしかないわね。そんなことをするのはルーマニアやソ連くらいのものよ。たとえば今私がインタビューを受けている東京。このビルに来る途中も、車の中から屋根の壊れかけたあばら屋で髪を洗っている女の子を見たわ。とても背が高くて手足が長かった。あの子がフィギュアをやればさぞかし映えるでしょうね。」

選手:「でもあの子がフィギュアをすることはきっと一生ないわ。そういうものよ、私はそれが悲しいからフィギュアが大好きで、嫌いよ」

フィギュアってあんなに見た目きれいだけど、確かにそこまですごい才能の選手ってなかなかいないし、所詮金の力ってのが見え隠れするから嫌だな・・・と、このインタビュー見てからフィギュアを純粋な目で見れない。

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