楽に過ごさせてあげたかった

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

家庭板つながりではないが、昔相談スレで見た話。

相談主の嫁さんは姑ととても仲が良かった。
姑は奥ゆかしくて、料理も得意な優しい人。
自営業で文房具店を夫と経営していたが、舅が死んでからは店を畳んで町内会の活動を頑張っていた。

姑が80になった時、老人ホームへ入ることになった。
嫁は「大丈夫?」と不安だったが、息子(旦那)は「むしろプロに任せたほうが安心だよ。お前も面倒くさいの嫌だろ?」と強引に押し切った。

姑も「いいんだよ、○子さん。あんたに介護をさせるくらいなら、私頑張るから」と笑った。
嫁はどこかに引っかかるものを感じたが、姑が以前から決めていたことなので賛成することにした。

数週間後。
姑は突然老人ホームの屋上から飛び降りて死んだ・・・。
遺書には小さい頃から人に気を遣うのが苦痛だったこと。
自営業の夫の手伝いでずっと他人に気を遣い、その後も町内会で気を遣い・・・ずっと気の休まる暇がなかった。

これから死ぬまでまた他人に気を遣うのかと思うと、自分で決めたこととはいえ、目の前が真っ暗になった・・・と書いてあった。

最後には○子さん、ごめんなさい。息子にごめんなさいと、お世話になった人たちに謝り続ける文だった。

嫁は葬式でずっと泣き通したが、息子は「恥ずかしいぜ。老人ホームくらいで」と母親が死んだというのに、酷い態度。
おまけに遺産相続で兄弟がモメ・・・結局、この時の事が原因で離婚することになった。

姑が一番嫌がっていた結果になってしまった。

相談主の嫁は最後に「老人ホームに入れるくらいなら、若い私が我慢して、死ぬまでせめて気心知れた家族で、楽に過ごさせてあげたかった。あと何十年も生きるわけじゃないのに。仲が良かったのに」と書いていた。

「いくら仲が良くても、いざ同居したらうまく行かなかっただろ?」と息子は言い訳をしたが、嫁は「体が動く、若い自分が最大限譲るものじゃない?」と思っていた。「年寄り笑うな行く道だ」なんだし・・・と。

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