死んでもいいかもしれない男

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

自殺志願の男。

昔、夕方ニュース番組の特集で、富士山樹海を取り上げていた。
樹海の遺品、モザイク入りの遺体、自殺志願者をなだめるボランティア、などの内容。
その特集では、説得ボランティアさんに密着取材してた。
そこで出会った男は、ビニールシートを持参して、そこで死ぬつもりだったらしい。
遺体処理の際に片付けやすいように、という心配りからだった。

ボランティアさんは親身になって男を説得。

ボランティア:「生きていれば良いことが必ずある。あなたは若いし、家族だって悲しむ。あなたが死んで、悲しむ人のためにも、もう少し生きてみないかい?」

最初は頑なだった男も、しまいには号泣し、心を入れ替える事に。
ボランティアさんは、男へ家族に電話する事を促し、男は家族に電話をかける事に。

男の電話に出たのは、男の父の再婚相手。
血の繋がらない母親だった。

母親は相手が男だと知った途端、切ってしまう。

・・・もう一度、電話をかける男。
次は男の実の父親が出る。

実の父親:『もう二度と、連絡してくるな!』

ボランティアさんは、男の置かれた悲惨な状態に戸惑う。
今度は番組スタッフが男の家族に電話をして、父親から事情を聞いた。

『息子は家族に暴力を振るってきた。更に多額の借金をし、それをすべて家族に押し付け、逃亡した。未だに息子の借金に苦しんでいる。男とは絶縁する』

呆然とするボランティアさんとスタッフ。

男は先ほどの説得を受けて、「もう少し生きてみようと思う。また家族と一緒に暮らせるように、頑張ってみる」と前向きな言葉を残して、樹海をあとにした。

ブログランキング参加中!

鵺速では、以下のブログランキングに参加しています。

当サイトを気に入って頂けたり、体験談を読んでビビった時にポチってもらえるとサイト更新の励みになります!

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.