家庭が崩壊する様

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

昔、好きだった子の玄関に花を置いてた。
従兄の新聞配達バイトの手伝いしてたから、まだ薄暗い早朝にな。

で、最近その彼女に会う機会があって、「こんなことしてたんだよな~、どう思ってた?w」って話をしたんだが、彼女真っ青になって俺の胸倉掴んで揺さぶってきて、「アレ、あなたがやらせてるの!?今すぐ止めさせて!!」って絶叫。

なんとか落ち着かせて、詳しく話を聞いてみると、“まだ続いてる”らしい。

最初、彼女の両親も「お前に想いを寄せてる誰某の仕業かもな~」と笑い話だったらしいが、俺がやってたのは2,3日に1回くらい。
しかし、何時からか毎日、雨の日も台風の日も阪神大震災の日も、プレゼント包装された花束が置かれるようになった。

『やめてくれ』と張り紙しても効果なし。

監視カメラ置いても映らず、警察が見回りしても“いつの間にか突如として現われました”という風に置かれてるらしい。

もう家族全員ノイローゼになってるらしく、当然俺は激しく責め立てられた。
菓子折り持って土下座しに行ったよ。
で、泊まり込んで見させてもらうことにしたんだよ。

・・・来たよ。
弟・・・それも彼女の・・・。

・・・あー怖ぇ。
実弟がストーカーとは・・・。

目の前で一つの家庭が崩壊する様をマザマザと見せつけられた。
弟くんをボコボコに殴りつける親父さん。
意味不なことを叫ぶお袋さん。
泣いて崩れ落ちる彼女。
ヘラヘラ笑ってる弟くん。(ただし、俺にだけは睨みつけて舌打ち)

結局、弟くんのそれが歪んだ愛情からなのか、嫌がらせなのか、不明なまま。
この一家との繋がりは無くなった。
便りもなく引っ越してった。

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