天国のA君に宛てた手紙

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

田舎の怖い話をしようか。
私が小学2年生のとき、親の転勤で岩手に行ったのよ。

で、ある日、同じクラスの男の子が家事で死んじゃったわけ。
その子の家は4人家族で父、母、妹がいて、父母は寝室で、その子と妹は同じ部屋で発見されたんだけど。
その子(A君)は妹を庇うように覆いかぶさってたんだって。

で、クラス全員で追悼みたいな感じで、先生に配られた作文用紙にそれぞれが天国のA君に宛てた手紙を書いたのよ。

当然、私もね。

教室には報道陣が大勢いて、生徒が作文(手紙)を泣きながら読み上げる様子をずっとカメラをおさめてる。

最後の一人(私)が読み終わり、皆で黙祷して、その儀式は終わったわけだけど。

「ねぇ、これいつ放送するの?」
「何チャンネル?」
「何時?」
「私、テレビに映る?」

さっきまで泣いていたクラスメイト達は笑顔でカメラマンにに話かけている。
あげく「放送されるの楽しみ!」だってさ。

子供心に「怖えーよ」と思ったのを覚えてる。

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