ひたすら叩き続ける養母

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

数年前、何かの女性誌に載ってた漫画。

主人公は八歳くらいの女の子で、親に捨てられたため施設でずっと育っていた。
面倒見のいい素直な子だったが、月に一度の面会日だけは嫌いで一人でブランコに乗っていた。

そんな女の子に、ある日、養子の話が持ち上がった。
子どものいない夫婦が彼女を養女にしたいと申し入れたのだ。

会ってみると、とても優しそうな夫婦で、女の子はとても喜んで話を受け入れた。
女の子は都内の広い一軒家に住むことになり、しばらくの間幸せな生活を送った。
養母と一緒にペットを飼い、ケーキを焼き、親戚の人にも褒められた。

しかしある時、養母の妊娠が発覚した。
そして養母に本物の子どもが生まれてからは、女の子は邪険に扱われるようになる。

祖母に「おばあちゃん」と言えば「あんたの祖母になった覚えはない」と言われ、親戚にも施設に帰ればいいのにと陰口を言われる。
女の子は必死に気に入られようと努力するが、養父母は生まれた子どもに夢中だった。

数ヶ月後。
学校から帰った女の子は赤ん坊がベッドから落ちて泣いているのを見つける。
ベッドに近づき抱き上げようとしたその時、ちょうど養母が帰宅し部屋に入ってきた。

「・・・何してるの」

養母には、女の子が赤ん坊をベッドから落として泣かせているように見えたのだった。
女の子に馬乗りになり、ひたすら叩き続ける養母。
養父が帰宅するまで暴行は続き、解放された時女の子の顔は血だらけになっていた。

そして数日後、女の子は再び施設に戻される事になった。
もう世話はできないという養父母の申し入れがあったためである。

車の後部座席に乗り込みむ女の子に向かって、養母は泣きながらこう叫んだ。

「ごめんなさい!あなたを愛せないの、どうしても愛せないの・・・!」

施設に戻った女の子は人が変わったように無口になり、今日もたった一人でブランコに乗り続けるのだった。

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