歯車の軸に・・・

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

数年前にとあるコンビナートにある事業所で安全講習なるものを受けた時の話。

講師のオッチャンが過去の事故事例を披露したのだが怖かったので今でも覚えている。

事故のあった当時は若者の間でロン毛が流行っていたというから、フォークソングとかが隆盛だった頃かも。
ここの事業所には自家発電用の火力発電所をもっていて、自家発電とはいえ火力発電所なので人の倍以上もある歯車が稼働してそれなりに大きい設備。

昼夜問わず稼働していて、事故のあった夜も監視要員として数名が待機しており、従業員でロン毛の若い兄ちゃんが一人で設備の点検に向かっていったわけ。

だが、どう云う訳か兄ちゃんが点検に出たままいっこうに帰ってこない。
先輩、従業員も心配はしたが、「どうせ居眠りでもしてるんだろ」くらいにしか思わなかったらしい。

すると他の従業員が「発電機の出力電圧がおかしい」と言うので計器盤を見てみると計器盤の出力電圧の針がある一定周期でハンチングしているわけ。

ハンチングと云うのは針がピョコンピョコン上がったり下がったりする現象ね。

先輩従業員がハンチングの原因を確認しに歯車のある現場へ確認しにいったら、原因が例のロン毛の従業員だったわけ。

ヘルメットもかぶらずに点検に出たロン毛はその歯車の軸に髪の毛を巻き込まれたわけ。
一度機械に巻き込まれると人の力では回避できずに巻き込まれ続け、頭皮と顔の皮が剥がれかけて歯車が回るタイミングで体ごとグルングルンと回転していた状態で発見されたそうで、それがハンチングの原因だったと言う話。

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