立ち込める腐敗臭

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

会社の先輩OL(といっても50代のおばさん)が体調が悪く長期休暇を取りました。
でもその後何の連絡も無く、上司が何回か電話をしていたのですが、いつも機械の音声で留守電になっていました。

彼女は一人暮らしで、一人娘は結婚し外国へ行っていたのです。
入院したとは聞かないし、田舎へでも帰っているのかと思いました。

長期休暇の期限が迫った三日前、会社で彼女に電話をかけてた上司が「あ、○○さん?あの・・・あれ?」とけげんな顔をしてるので聞くと「今まで機械の留守電のメッセージだったのに、○○さんの声になってる。」と言います。

ということで今度は私がかけてみました。
ところが留守電の応答メッセージは機械の音声です。
上司に「電話機の音声ですよ。○○さん、何て言ってたんですか?」と聞くと、「ただいま電話に出られません。メッセージをどうぞ。」って。
ところが出社予定日を過ぎても彼女は来ません。
そこで上司と時間の空いていた私とで彼女のマンションへ行きました。

マンションの彼女の部屋のドア付近には新聞紙が貯まっていました。
そして宅配の食品も。
ベルを鳴らしても返事はありません。

一度会社へ戻り、上司はそのマンションの管理会社へ電話をしました。
管理人が常駐ではなかったからです。
事情を説明し、気をつけてもらえるよう頼みました。

そしてあくる日、その管理人さんから会社へ電話がありました。
部屋を開けてみるので立ち会ってほしいということでした。
なんでも、他の住人からも、悪臭がすると苦情があったのだそうです。
不動産屋さんと管理人さんとうちの上司と三人で部屋の前に立ち管理人さんが鍵を開け、ドアを開けるとすぐ目の前にペタンと座り込んで壁にもたれている彼女がいました。

「う・・・。」

立ち込める腐敗臭。
彼女は亡くなってました。

警察から死後10日くらいらしいと聞いた上司は、電話で声を聞いたと主張していましたが、そんなはずないと取り上げてもらえませんでした。
私が聞いたのも電話機の音声だったし。

その上司は、その後食事に行ってアワビなどが出ると「これこれ、こんな色だった。」とか悪臭がすると「誰か腐ってるのかも。」などと言います。
きっともうすぐ呪われると思います。

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