猫の毛皮でバッグを作って

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

アメリカのある会社で。
一人の優秀な青年が働いていたのだが、彼は最近元気がない。
時々彼はこのように不振になるので、彼の課の課長は心配していた。

ある日、課長は青年にバーに誘われた。
相談に乗って欲しいのだという。
彼に頑張ってもらわないと業績が落ちてしまう、と気にかけていたので、課長はOKした。

さて、青年の悩みとは、女性問題だった。
課長は、悩みが意外にも些細な事だったので安心した。

青年:「課長、僕は、いつもいつも好きな女性に振られてしまうんです。僕はあんなに彼女たちの事を愛していたのに。色んな物をプレゼントしたのに。」

課長:「・・・気持ちはわかるよ。・・・しかし、女性はあまりあつくるしく愛されると逆に遠ざかってしまうからね。君はどんなものをプレゼントしたんだい?」

青年:「そうですね・・・最初の子は、猫が好きでしたから・・・」

課長:「かわいらしい子じゃないか。」

青年:「猫の毛皮でバッグを作ってプレゼントしました。」

課長:「・・・・・・なんだって?」

青年:「次の子は、犬でした。だから犬の毛皮でバッグを作りました。」

課長:「き、きみ・・・本当にそんな事をしたのかい?」

青年:「その次はやっかいでした。ミッキーマウスが好きだって言うんです、ネズミは小さいですから、苦労しました。それと、その次、よりにもよって象ですよ?おととし、一周間の休暇をいただいたでしょう?仕方がないから、タイに行って象を一匹さばいてきました。・・・こんなにも、愛情をそそいでいるのに、彼女たちはプレゼントを渡した後口も聞いてくれない。本当に、女性の気持ちはわかりません。」

そういって、青年は課長のほうを向いてニッコリ微笑んだ。

課長:「・・・・・・ハハ、アハハハハ。君にそんなユーモアがあるとは思わなかったな。面白いジョークだった。すっかり一杯食わされてしまったよ。」

二人は、声を合わせて大笑いした。

青年:「ハハハハ・・・ところで、課長。」

課長:「ハハ・・・なんだね?」

青年:「昨日、いま僕の好きな女の子に振られてしまったんです。彼女、課長の事が好きだから諦めてくれって言うんです・・・」

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