私が子供の頃に、父親から聞いた話なのですが、私の家の近くに商店街がありました。
商店街の真ん中ほどに大きな肉屋があり、その肉屋には色白で綺麗な娘さんがいました。(実際私も、何度か見ましたが、子供の私でも綺麗だということはわかっていました)
肉屋の中には、見たことがあるかと思いますが、よく大きな冷凍庫に大きな豚の肉が吊してあるにを見たことないですか?
子供の私にはその豚の肉が巨大に生物に見えた物です。
その肉屋の娘の年頃になり、娘さんは、結婚し嫁いで行きましたが、1年後に離婚し、実家に帰って来てしまいました。
そのときは、「あんなに綺麗な人をもったいない」と近所の噂になっていましたが、そんな、綺麗な女性を世間の男はほっておくわけもなく、離婚後1年で再度、嫁いで行きました。
今度のお相手は、40歳前後の中年男性で親としてはもう少し歳の若い男性をと願ってはいましたが、いまでいうバツイチ。
はやく孫の顔も見たい思い渋々嫁に嫁がせましたが、しかし、その結婚も長くは続かず、今度は半年で離婚になってしまったそうです。
すると近所の目は、最初の結婚の時は相手が悪いように言っていましたが、噂が噂を呼びその噂は以外とはずれては、いなかったそうです。
その噂とは、昼はとっても良く気が利く良家の娘という感じですが、夜になると異常な行動を採るのです。
寝ている旦那さんの体にすり寄ってきて、旦那さんの臭いをいつまでも嗅いでるそうで、毎晩毎晩臭いを嗅ぐ仕草はまるでそう豚のようだと・・・。
肉屋の娘・色白・豚のような仕草。
あまりにも奇妙で気持ちが悪くなりある晩の事、その旦那さんは真実を確かめる為、夜の妻の事を観察してやろうと思いその日は早く寝たそうです。
妻が臭いを嗅いでる姿をそーっと薄目を開け観察していると、妻は小さな声でブウブウと唸っていたそうです。
そのうわさ話が広がり肉屋さんもいたたまれなく、どこかへと引っ越して行きました。