ウチの祖父の話だが、40年以上前に近くの山で遭難があって、消防団の祖父も参加した。
三日後、祖父が渓流のそばの木の下で遺体を発見した。
ただその遺体が変だった。
両耳を両手で塞いで、一方の方向を向いて絶叫してるみたいに死んでいた。
遺体の側には折れた杖。
そして遺体の身体の先には、赤い服を着た洋人形が落ちていたらしい。
洋人形の身体には、半分折れた杖の先が刺さっていた。
死ぬ間際、この人は何を見たのだろうと不思議に思ったらしい。
後々遺族の話では、亡くなった人はそんな洋人形を持っていないとの話だった。
極限状況に陥り幻覚を見たんじゃないか?という噂も流れたが、真相はもう誰にも分からない。