家族の誰かじゃない

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

3年ほど前の春先の話。

どこかに出掛けて、19時過ぎに帰宅。
車庫のシャッターを開けるため、車から出ようとすると、出掛けに閉めたはずのシャッターが開いている。
うちの車庫は二階を物置にしているから、自分の留守中に家族が開けて閉め忘れたんだろうなと思い、特に気にも留めなかった。

バックで車庫入れを始めると、薄暗い車庫の中に人影がある。
ん?誰だ?と思いながらも、オーライオーライとジェスチャーするのでそれに従った。

自分ちだから慣れてるわけで、車は一発で入った。
するとその人物「オッケー!うまいねっ」と拍手してる。
まだ車内にいる自分にも聞こえるような大声で。

ここで気付く。
こいつ、家族の誰かじゃない。

父か弟だと思ってたけど明らかに声が違う。

恐怖心が湧き上がってきて車から出られずにいると、そいつは運転席の横にきて、ものすごいイイ笑顔で親指を立て「グーッド!」と言った。
何の変哲も無い普通のおじさんだったけど、全然しらない人だった。
彼はアハハと大声で笑いながら去って行った。

未だに何者だったのかわからない。

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