中東でみた銃の話

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

知り合いの話。

カメラマンの助手として、中東のある国を訪れていた時のこと。
現地ゲリラの取材するため、伝を頼って山奥の集落を訪れたという。
取材は特にトラブルもなく終了したが、帰り際に彼らの持つ銃を見て驚いた。

“Made in Japan”確かにそう刻印されていたのだ。

思わずその刻印は何だ?と尋ねてみると、あっさりとした応えがあった。

「御呪いさ。弾をよく当てるためのね」

重ねて詳しく聞いてみたが、彼らはその文言がどういう意味なのか知らなかった。
この文字が英語だということさえ知っているかどうか、という感じだったという。

ゲリラの集落には銃を専門に作っている所があるそうで、そこの鉄砲鍛冶に頼むとこの刻印を入れてもらえるらしい。
ちゃんと刻印専門の加工者も居るのだとか。
銃以外にも、壊れてほしくない物に刻むこともあるらしい。

日本人の与り知らぬ所で、日本の名が人を殺す呪文になっている。
些か呆れた後、少し怖くなったのだそうだ。

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