ケンちゃんはいなくなった

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

昔公園で友達らとかくれんぼをした。
かなり広い公園で隠れるには困らないけど、問題は鬼になった時。
只でさえ広くて大変なのに友達4人とも隠れ上手。
鬼には絶対なりたくなかった。

ジャンケンに勝ち、なんとか鬼を免れた僕はケンちゃんと一緒に講習トイレの屋根の上に隠れた。

僕:「皆どこに隠れたのかな」

ケンちゃん:「さあ皆隠れるの上手いからな」

僕:「でもター君は身体が大きいからショウ君達より先に見つかっちゃうかもね」

僕達は息を殺して、そこに隠れていた。

どの位たった頃だろうか?
ケンちゃんが「トイレ行ってくる」と僕に小さな声で言ってきた。

見つかるからと!止めたけど、我慢出来なかったのかケンちゃんは下に降りて行ってしまった。

その時。

「みーつけた」

声が聞こえた。

どうやらケンちゃんが鬼に見つかってしまったらしい。
その日から鬼はケンちゃんの両親になった。

【解説】
この物語、最後の一文が最も重要になる。
序盤は前フリとして見たほうがいいだろう。

最後のほうに、ケンちゃんは鬼に見つかった。
実はその鬼は誘拐魔で、ケンちゃんは誘拐されてしまった。

そして最後の文章の『その日から鬼はケンちゃんの両親になった』

この文章は鬼がケンちゃんの親になってくれた、というわけではなく、ケンちゃんの両親がかくれんぼの鬼になったという意味だ・・・。

つまり、ケンちゃんの両親は誘拐されたケンちゃんを捜すため、かくれんぼの鬼になったというわけだ。

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