人格者の裏側・・・

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

自分の体験した話です。
小学二年生くらいの時。

ある日の夕方、親戚の一家から車で遊びに来ると連絡があったので、私はうちから歩いて五分ほどの所にある駐車場でみんながくるのを待っていた。

待っていたら見知らぬ爺さんが近寄ってきた。

どうやら酔っ払っている様子で、「お嬢ちゃん、もうすぐ暗くなるしこんなところに一人でいたら危ないよ、おじいちゃんと一緒においで」みたいなことを言われた。

あっけにとられていると、問答無用で手を握られ、どこかへ向かって歩き出す爺さん。

私は声も出せず、爺さんを怒らせたら何をされるかわからない!と思い、ただ手を引かれるままについて行った。

そう言う時に限って人通りが全くなかったのをよく覚えている。

少し行くと個人経営の酒屋さんがあって、爺さんはその前で立ち止まると「お嬢ちゃんはここでおとなしく待ってなきゃだめだよ、おじいちゃんはお酒を買ってくるからね」と言い残して店の中に入っていった。
私は爺さんが完全に店の中に消えたのを見ると猛ダッシュで家まで逃げ帰った。

当時は怖くて、親にも友達にもその話はできなかった。

それから少し経って小学校の社会科見学で隣町の農家に行った。
施設を見学した後に農家の主人のお話を聞くことになり、みんなで集合して待っていると主人登場。

その主人が例の爺さんだった・・・。

私は、「どうしよう!顔を見られたらあの時の子供だってばれるかも!ばれたら殺されるかも!」と思い、お話し中ずっと下を向いていた。

でも、あの爺さんは他の子にも何かしてるかも?誰かに言うべきだったのかも?と子供ながらに悩みました。

もう爺さんの顔は忘れてしまったけど、話の際に「人生はかくあるべきだ!人はこう生きるべきだ!」とか偉そうなことばかり言っていたのがいまだにすごく印象に残っています。

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