どこに書けばいいのか分かりませんのでここで吐き出させて下さい。
付き合いのない知り合いの呼びかけで飲み会があり、暇なので参加したんです。
行ってみると5人。
顔なじみは主催者くらいで、来なきゃ良かった・・・と早々に思いました。
すると話がおかしくて飲み会がメインじゃない。
腹ごしらえして移動するみたいな事を言い出したんです。
肝試しでした。。。。。
肝試しは事情もあって大嫌いでしたが、言い出せる雰囲気じゃない。
顔なじみがいないのも納得、2chのオフ会のようでした。
4人という数字が怖かったみたいです。
それで片っ端から知り合いに連絡して引っかかったのが自分だったのです。
自分以外は行先も知ってるわけですし、好きで集まったわけですから異様にテンションが高い。
カメラ見せ合っては意味の分からない爆笑。
どこそこの場所で幽霊見た!とかいっては爆笑ネットで見た怖い動画の話題で爆笑。
笑いどころが分からない。
帰りたい、帰りたい、帰りたい・・・頭の中はそれだけでした
「じゃ行こうか」
そう告げると主催者が立ち上がりました。
すると爆笑してた連中も神妙な顔にここで気づきました。
無理して笑ってたんだ。
場所は廃病院でした。
病院といっても動物病院でした。
なんでもペットショップと動物園と提携してて、餌としての処理など珍しくもない事をやってたのをツイッターなどで拡散されたとか町BBSで広まったとかで、一気に廃れ廃業に追いやられたとかです。
それで酷いのが経営者が逃げたかで従業員も急きょ居なり残された。
しばらくして異臭騒ぎになり行政が入ったところ地下の牢屋のような狭い個所に餓死した動物が沢山いたそうです。
どうやら生餌候補だったらしく、引き取り手がないため発覚が遅れたとか。。
街とはいってもそこは狭い田舎。
噂はなかなか消えず、買い手もないまま建物自体は放置状態になっているとか・・・。
しばらくすると夜になると死んだ動物の鳴き声が聞こえるとか、中には死んだ動物が徘徊するとか噂が流れるようになり体験者が急増してるため、非常にホットな肝試しポイントなんだとか。
そんな話を車中で聞いていると、車は人里離れ噂の廃病院に到着しました。
もう、何が怖いって単純に暗いから怖い。
真っ暗です。
車の明かりだけが真っ暗な森の中、廃病院を照らしています。
看板も照らし出されてましたが、石か何かを投げられたのか割れていました。
正面にガラスが割れた窓がいくつかありましたが、車の照明が当たっても真っ暗でした。
それが暗い眼窩のようで私はブルブル震えてました。
あと真っ暗だから足元が危ない。
車に残るという発想はありませんでした。
一人になるのはもう無理でした。
それに怖がっているのは自分だけではないです。
経験したことが無いような暗闇の恐怖に全員が変な汗をかいているのが匂いで分かります。
ベテラン?の一人が言いました。
「窓割られているのでガラスなどの怪我に注意。古くないから床は抜けないだろうけど器物が転がっているかもだからこけないでね」
懐中電灯は1個しか無かったので、主催者の友人が先頭で持ち固まって移動する事にしました。
生え始めている雑草を抜けて廃墟の中へ。
事件を知っているせいかもしれません。
血生臭い匂いが鼻を突きました。
ですがこれは動物病院特有の動物の匂いだったかもしれません。
恐怖もあって嘔吐しそうになりましたが、我慢してソロソロと進みました。
受け付けがありました。
中を照らすと荒らされた内部が見えました。
主催者が「ここ入るのは無理かなー」とつぶやいた時、足元を何かが走り抜けました。
「うわぁああ!」
全員が絶叫しました。
野生動物、、タヌキか何かが入り込んでいたのかもしれない。
誰かが暗闇の中で呟きました。
ですが誰もがある事を思っていたと思います。
何を思っていたのか引き返す事をせず奥へ進みました。
一応目的地は地下の倉庫だったからです。
廊下を進むと何か気のせいなんかじゃなく、動物の息遣いのようなものが私たちの荒い呼吸の中に混じって聞こえるようでした。
気のせいだ、、気のせいだ、、、と思いながら私は男にも関わらず、恥ずかしながら懐中電灯をもった友人の服をつかんでいました。
はぐれるのが本当に恐ろしかったのです。
やがて地下へ向かう階段に辿り着きました。
その階段は闇の中へ落ちていくように見えました。
その時、突然足元を駆け抜ける何かがありました。
これは本当に危なかったです。
階段を転げ落ちそうになり悲鳴が上がりました。
危ないので全員がしゃがみこみました。
「なんだよ!今の!!!」
「犬じゃねーか?」
「ゾンビ犬?」
「なわけねーだろ!!」
しばらく怒号が続きました。
ついに私は最初から気づいていた事を呟きました。
「犬にしてはでかすぎる。。」
あらい息遣いだけが聞こえてきます。
眩しいライトが逆に暗闇を濃くしていました。
「どうする?」
すると友人が呟きました。
「ここで引き返したら二度とスレなんか建てれない」
私はまったく意味が分かりませんでした。
それなのに他のメンバーは妙に納得してました。
階段を降りる事になりました。
考え方を変えればさっさと降りればさっさと帰れるという事です。
そうと決まればこんな不気味な場所でじっとしている意味はありません。
私たちは降り始めました。
すると、とんでもない腐臭が漂ってきました。
気のせいなんかじゃありません。
入口で感じた匂いはまさにここの匂いが漏れ伝わってたものなのでした。
当然、動物たちの遺骸は回収されてましたが、おざなりな清掃しかされてなかったのでしょう。
もしくは回収のみだったのかもしれません。
闇の中、腐臭に堪えている状況を考えてください。
私は嗚咽を繰り返し涙が出てました。
暗闇で誰かは本当に吐いてました。
帰りたい、帰りたい、帰りたい、帰りたい・・・。
突如真横で動物のような息遣いが聞こえました。
それが足元を走り抜けた時、私が足に激痛を感じました。
次の瞬間、友人のライトが激しく揺れました。
部屋をめちゃくちゃに照らします。
「いてえ!!噛まれた!!」
もう肝試しどころではありません。
周囲で走り回る音が聞こえます。
それが一つではなく、集団なのです。
友人:「やばいやばいやばい!!野犬かもしれん!!」
私:「帰ろう!!ここはまじでやばい!!」
友人:「出口出口出口」
私:「ライト照らせ照らせ!!!」
その時ライトが地面を走り回る何かをはっきりと照らしだしました。
それからは記憶が飛び飛びです。
私と友人はあり得ないスピードで部屋をぬけ階段を駆け上りました。
途中にあった机なんかは弾き飛ばしたと思います。
半開きのドアは蹴破ったのかもしれません。
呼吸さえしてなかったかもしれません。
走り抜ける中、四足の奴らは真横をつけ何度も足首あたりを噛みつこうと歯をむき出しました。
ですが私達が全力疾走していた為、うまく噛むことが出来なかったようです。
私と友人は入口のドアを蹴飛ばし車に飛び乗りました。
友人はすぐにアクセルをふかしタイヤを空転させる程でしたが、勢いよく山道を走りました。
事故らなかったのが奇跡です。
暗闇の中、私達が見たライトに照らし出された物。
それは見慣れた服装でした。
今の今まで一緒にいた私と友人以外のメンバーでした。
彼らが四足になってよだれをダラダラ垂らしながら私たちを取り囲んでいたのです。
警察所で事情を話しました。
再度向かおうとしたのですが、私のズボンが血まみれだったので、治療のため居残る事になりました。
友人と警察官二名が現場に戻りました。
後で聞いたところ2人が院内で気を失って倒れていたそうです。
気を失う前にお互い噛みつきあったようでかなりの怪我だったそうです。
もう一人は階段の下におり、警察官2人に襲い掛かって取り押さえられたそうでかなりの修羅場だったそうです。
後日談です。
警察や友人に受けた説明をまとめます。
原因は極度のストレスと思い込みによる一時的な錯乱という事でした。
暗闇で分かりませんでしたが、入口に入ってすぐに一人が発狂して走り去ったようでした。
でかい動物ではなくメンバーの一人でしたが暗くて分かりませんでした。
倒れていた2人は怪我で入院しましたが無事退院したそうです。
ですが警察官に襲い掛かった一人はかなり長い間病院に入ってたそうです。
しかも可哀想な事に警官に襲い掛かったため業務執行妨害か何か犯罪まで付いたとかでした。。
不思議と新聞沙汰にはならなかったのでほっとしました。
幽霊は一切出ませんでしたが、個人的には本当に本当に洒落にならない怖い経験でした。
ちなみに私の右足のふくらはぎにはその時の傷が残っています。
誰の物か分かりませんが、モロに人の歯型でえぐれているので整形を考えています。
もし、あの時転んだりしてたらどうなっていたのか。
それよりあれがただの錯乱だったのかどうか。
今でも気持ちの整理はついていません。
ただ餓死した動物達が生きていたら人間を許さないだろうとは思います。
今も生活しているとたまに腐臭のようなものを感じる事があります。
私もいつか発狂してしまうのでは、、なんて想像をして鬱になります。
どこかで吐き出したかったので少しスッキリしました。
長文しつれいしました。
読んでくださった方ありがとうございました。