盗作で儲ける人

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

Web漫画雑誌編集長のツイッターより。

「合法的盗作」の例を先にツイートしたが、「非合法だが、訴えようがない盗作」の例を私は知っている。

仕事柄、学生作品をよく見るが、ある年、凄く面白い少女漫画を描いてきた学生がいた。
特にキャラクターが面白かった。
まだ電脳マヴォ創刊前で、「これ面白いから持ち込みしたら?」と彼女に勧めた。

彼女は既に某大手少女漫画雑誌に持ち込みをしていて、担当も付いていた。

しばらくして「あの作品どうなった?」と彼女に聞いたら、「ボツになりました」とガッカリしていた。

それから1年くらいして、彼女が血相を変えて私に報告してきた。
手には、彼女が持ち込みをした雑誌の最新号が握られていた。

彼女が指差すページを見たら、なんと、別作家の作品に、彼女が使ったキャラクターと全く同じキャラクターが載っていたので、仰天した。

非常に特徴のあるキャラクターで、偶然似るようなレベルではない。
犯人は間違いなく担当編集者で、新人の未発表作品をその作家に見せたに違いなかった。

「ひどい。こんなことってあるんですか?」と泣き出す彼女に、私はどう慰めていいか分からなかった。

「残酷なことだけど、たまにこういう悪質な編集者やプロ作家がいるんだよ。弟子の作品を盗作する漫画家の話も聞いた事がある。今回は編集者だけど、酷い編集者に当たっちゃったね」

デビュー前作家の作品から盗作というのは、本当に悪質だが、仮に訴えたとしても、公判が維持できるかは非常に難しい。
裁判そのものが却下される可能性が高い。
何しろ、その作品を見た人間は、作者本人と私、それから雑誌編集者と、パクった作家以外にはいないのだ。
こんな話も本当にあるのである。

それは単にキャラの絵をパクられたというレベルではなく、非常に特殊な特徴を持ったキャラクターがクラスにいて、その特徴を軸に展開するストーリーなので、キャラクターが同じであれば、必然的にストーリーも同じなのである。
この場合、彼女が先にその作品の同人誌を出していれば防げたかも知れない。

企画会社がメーカーに新製品の企画持ち込んで、結局没になるんだけど、数年後に、そのメーカーからそのまんまの製品がでたりするんだな。
当然、告訴になるんだが・・。

時々、権利とかろくに考えない担当っているぞ。
イラストをイラストレーターの承諾なく使いまわしたり、外注が発明した機構を、権利関係収得せずに別のモデルに転用したり。

下手すっと億単位の告訴になる。

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