「オートロックとエレベータをこじ開けて入ってきた恐怖のストーカー男」洒落にならない怖い話。
オートロック式のドアを開ける時やエレベータに乗る際は、背後に不審な人がいないか確認した方がいいと言われているけれど、確認しなくても大丈夫だと思って油断したその時だった。
一人暮らし時代、都心繁華街のマンションに住んでた。
その日は夜0時過ぎに隣のコンビニに寄って帰宅。
客は5人ほどいて、入口前のガードレールに若い割りとイケメンの外国人が腰掛けてたけど中に友人がいて待ってるんだと思ったし、繁華街中心部から200mくらいの住宅地で外国人がいることも日常的だった。
なので気にせず買い物をして店を出た。
コンビニとマンションの間に一通の路地があり、マンションの入口はその路地に面してて門を抜けて更に奥にあるため人通りのある道からは逸れてた。
だけどすぐ後ろではタクシーの往来や人通りがあるので何も警戒せず入った。
オートロックを解除してエレベーターに乗り込んでドア側に向き直したら、先程の外国人がほぼ閉まりかけたオートドアの隙間に手を入れ、強引に開けて入ってくる。
ターミネーターの警官みたいに・・・。
瞬時にこのマンションは外国人入居を断っていることから危険を感じ、急いで閉ボタン連打。
本当に一瞬の間に色々なことを考えたけど、ターミネーターはあの早歩き無表情でエレベーターホールに強引に突入、その早歩きのまま今度は15㎝くらいの隙間に手を入れ、また強引に押し開けエレベーター内に入ってきて私の逃げ道を塞いだ。
2階から逃げる作戦は消えた。
外国人はニヤニヤしながら私から目を離さず、壁によりかかりながら足で入口を塞ぎ、パーカーのポケットに手を入れてゴソゴソしている。
狭い空間で少し沈黙。
・・・殺される。
ああなると究極の選択で、死ぬよりマシ・・・イケメンだし逆にこっちもその気のフリで応じて次いつ会える?くらい逆に食いつくフリしてやり過ごしてから通報・・・でも終われば結局コロされる?いや、逃げるべき!どう逃げる?
とかも考え始める。
私の遂行すべきミッションはとにかく生きて明日も普通の生活をすることだけ。
私は11階に住んでいて12階と13階が管理人家族の居室で、12階からはエレベーターも管理人しか持っていない鍵を差し込まなければボタンを押せないし、階段も12階から更にオートロックがついていた。
つまり、エレベーターで普通に押せるボタンの最上階は私の居室のある11階。
あえてボタンを押さずに『何階ですか?』と聞くと『11階アナタ何階?』と返してきた。
生還手段を考え続けながらも、11階までしか行けないことを知ってるのか?このマンションは外国人入居も可能になったのか?と考えたけど、やはり怪しい。
5階から11階は3戸ずつの造りで私は真ん中に住んでいたし、両隣とは挨拶したことしかないけど誰が住んでるかは把握している。
隣人の友人なら下でロック解除してもらうだろうし、この男は隣の住人ではない。
とりあえず男を降ろしてから逃げることにして、あえて『私もです』と11階を押した。
沈黙のままニヤニヤゴソゴソして私から視線を外さないままの男と2人
すごく長く感じて真冬なのに汗だく。
男を降ろしたら1回私も降りるフリしてすぐ庫内に戻り1階からダッシュすることを頭の中でシミュレーションするうちに、11階でドアが開いた。
抵抗したら殺されるとしか思わなかった。
ドアが開いたのに男は出口を塞いだままでニヤニヤし続け『降りないの?』と聞いてきた。
『お先にどうぞ』と私も返すが男は降りず出口を塞いだままでドアが閉まった。
金を要求するなら早くしてくれ!何がしたいのか言ってくれ!それによって作戦が変わるのだから!と心で叫び、平常心を装ったまま1階のボタンを押すしかなかった。
不自然な行動だけど、部屋がバレたら生還した後も危険だし、何より部屋に押し入られたら終わりだと思ったから。
1階についたらこの足を蹴り上げてバッグを投げつけてでも逃げることにした。
どれだけ長く感じたとしても実際は数秒のはずで、私の正面に男がいる限り何か起きても死ぬことはないんだと自分に言い聞かせながら、ドアが開くのを待った。
頭に描いたように男を押しのけるようにして、エレベーターもオートロックもドアが開けきらないうちに飛び出して、親に陸上やらされてたことを初めて感謝し、12㎝ピンヒールのニーハイを履いてるのも忘れて走った。
すぐそこの人通りのある道の角を曲がればコンビニ!と曲がりながら確認したら男はまた真顔で早歩きでターミネーターになってて、本当に不気味だった。
コンビニに逃げこんだらバイトの外国人女学生しかいなくて焦ったけど、とりあえず事情を話したら『警察よびますか?大丈夫ですか?待っててください』と裏に引っ込んでいった。
話せて安心したら涙と震えが止まらなくなったけど、その子は通報したわけじゃなく、同じ国のチャラ男風なバイト青年を連れてきて、そのチャラ男君が送ってくれるという話を勝手にまとめてきたことに思わず笑えて、やっと冷静に戻れた。
チャラ男君は顔馴染みで愛想の良い子だけど、部屋前まで送ってくれて帰ろうとしなかったことに新たな不安が芽生えつつ、なんとか帰っていただき、部屋で警察に通報。
運悪く感じ悪い警察官が出て対応されずムカつきで更に冷静になり、寝た。
外国人だと被害がないと対応しようがないとか、私が悪いんじゃないかとかしかその警官は言わず来てくれなかった。
初めて一人暮らしした部屋でも、アパートの2階角部屋で、玄関のドアノブをガチャガチャされた後にベランダに侵入しようとしたやつがいて通報して来てもらったことがある。
ベランダの手すりに足跡があるのを確認して調書とられ、パトロール強化の約束されたけど、私に隙があるとか言われパトロールもたまにだったし、自分の身を守るのは本当に自分しかないことを痛感。
長文読んでくれてありがとう。
ターミネーター事件の地域で少し離れたところに友人が住んでいて、友人は4階建ての4階に居室があったけど、帰宅したら包丁を持った知らない男が部屋にいたということがあった。
屋上からベランダに侵入してガラスを割って部屋に入ったらしい。
やっぱり怖かったけど平常心を装って話しかけ、普通の世間話をした後に玄関から帰ってもらってから通報。
ちなみにその男は強盗で半年後に捕まった。
騒ぎ立てるよりウェルカム対応で相手を油断させる方が、命も懐も守れるかもしれないことも報告しておく。