家畜の育て方の真実

『アイガモ農法』

知らない人の為に説明しておくがアイガモ農法とは水田にアイガモを放し飼いして害虫の駆除を行わせるという農法のひとつ。
主な効果としてアイガモが虫や雑草を食べて被害が減り、さらに排泄物が肥料になる。

アイガモが動き回る事によって土が撹拌されて作物がよく育つ・無農薬栽培が可能などなど。

これだけ聞けば非常に効率的なやり方に見えるアイガモ農法だが、このアイガモ達は稲作が終わりに近づくとシメて食べられてしまう。
ネットの記事では「可哀想」「社畜みたいだな」という感想も多くみられた。

田んぼの害虫駆除を頑張ってきたのに用済みになったらすぐに殺されてしまうアイガモ達を思うと後味が悪い・・・。
と、思うのはいささか短絡的な思考ではないか。

このアイガモ農法、家畜全体で見れば生育環境はかなり恵まれている方である。

生まれてすぐに尻尾を切り取られロクに運動できない室内で一生を過ごす豚、無窓鶏舎というその名のとおり窓の無い部屋にスシ詰めにされて育てられる鶏、口にチューブを連結させ意志とは無関係に無理矢理餌を食べさせられる鴨(フォアグラ)。

そんな家畜が当たり前のように各地で大量に消費されているなか、アイガモは決められた水田から逃げられない意外は自由なのである。

鳥害対策がなされた屋外で気の赴くままに泳ぎ、好きな時にそこら中に転がっている餌を啄ばむ。

アイガモを食べなくても逃がしてあげればいい・来年も使えばいいという意見もあるのだろうが、アイガモというのは人間が人為的に作り出した品種で自然界への放鳥は固く禁じられており、大人になった個体は大きすぎて稲を倒してしまう上に生育が非常に難しい為あまり現実的ではない。

それに、農薬で虫をただ殺すだけのやり方より「虫を食べた鳥を人間が食べる」というアイガモ農法の方が食物連鎖の観点から見ても、よっぽど自然に優しいやり方なのである。

上の話を見て「アイガモが可哀想」と思った方、今日の夕飯に並ぶアイガモより遥かに過酷な環境で育てられた鳥肉や豚肉を食べてみて、後味の方はいかがでしょうか。

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