憎しみより上の感情

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

10年位前にテレビで見たアメリカの実話。
たぶんテレビ特捜部だったと思う。

両親が離婚し、母親と暮らしている男の子が、離れて暮らしている父親に誘拐されてしまう。

父親は息子と心中しようと思って誘拐してみたものの、なかなか決心がつかず、息子を車に乗せて数日間連れまわす。

ある夜、ついに決心した父親は、まずホテルの部屋ですやすやと眠る息子のベッドに灯油を撒き、火をつける。
しかし燃え上がるベッドを見たヘタレ親父は怖気づいてしまい、なんと息子を置き去りにしてその場から逃げ出してしまった。

息子は一命を取り留めたが、全身が焼け爛れてしまった。

間もなく逮捕された服役中の父親は、インタビューを受けて、「あの子に酷い事をしてしまった。出所したら謝りに行きたい」と泣きながら語っていた。

息子は現在、母親とその再婚相手と幸せに暮らしているが、醜く焼け爛れてしまった外見は何回かの手術でも完全に治す事はできなかった。

最後に男の子のこの言葉で〆。

「彼を憎んではいない。けど、もう彼は僕に会ってはいけないと思う。彼はもう僕のパパじゃないから」

表情のない(出せない)顔で淡々と語る男の子に涙が止まらなかった。

冒頭で火傷する前の写真も出ていたんだけど、とても可愛らしい男の子だった・・・。
母親と、再婚相手がすごくいい人そうだったのが唯一の救い。

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